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| ■090 2006.08.02 |
TEAM NORICK JR
TNJのセナくん、ロードレース初表彰台をゲット! |
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7月29日、TEAM NORICK JRの山田セナくんが筑波ロードレース選手権第3戦S80クラスに出場した。前日の28日、セナくんのテスト走行を見に行ったが、新しいフレームが好フィーリングで、今までのテストよりもアベレージタイムも向上して、手応えがあったようだ。
実はセナくんのレースがあった29日は、僕は鈴鹿へ移動しなければならず、残念ながら筑波には行けなかった。後で聞いた話では、セナくんは万全な態勢でレースに臨み、結果は予選11位で決勝6位。トップグループとほとんど変わらないタイムで走るという成長ぶりを見せてくれた。
このレースは6位までが表彰台に立てるので、セナくんはうれしいロードレース初表彰台をゲット! 僕もすごくうれしかったけど、その場に居合わせられなかったのが本当に残念だ。この調子で伸びていけば、3位以内の争いも間近だろう。筑波選手権は今年中にあと2戦。ますます楽しみになってきた。 |
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TEAM NORICK JR
みんなからエネルギーをもらえた「バイク教室」 |
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29日に鈴鹿に移動し、8耐決勝日の30日は、毎年恒例の「ノリックと親子でバイク教室」を開催した。朝から天気が良くて、僕がサーキット入りした朝8時頃にはすでに30℃を超えているんじゃないかという暑さ! 子供たちは大変かな……。
例年、バイク教室に参加するのは初めてという子供たちがほとんど。でも今年はちょっと様子が違った。去年の8耐での教室が、午後からの雨で中止となってしまったので、今年はその時の子供たちに優先的に参加してもらったのだ。40人のうち、33人が去年も参加してくれた子供たち。その再出席率の高さにはビックリした。
そんな背景もあって、今年はプログラムの進み方が早い。午前中のうちにみんなそれなりにバイクに乗れるようになっていた。午後、僕は8耐イベント会場でのサイン会やトークショーに参加するため、2時間ほど教室を離れたのだが、帰ってきたらみんなさらに急成長! バンバン乗りこなしていて、子供の吸収の早さには本当に驚かされた。
終盤にはTEAM NORICK JRのユウヤ、セナ、コウタの3人がデモ走行し、最後に毎年恒例の僕が先導してのパレードラン。無事に教室を締めくくることができた。「ノリックと親子でバイク教室」も今年で8年になる。毎年たいてい転んでしまう子がいるのに、今年はゼロ。ちょっと転んだだけでもバイクが怖くなってしまう子もいるので、転倒者ゼロでホッと胸を撫で下ろした。
そして、参加してくれた子供たちは、みんながみんな「また走りたい!」と口を揃えてくれた。暑い中、子供たちもスタッフも大変だけど、「子供たちにこんなに喜んでもらえるなら、ずっと続けなくちゃ」という思いを新たにした。
スーパーバイク世界選手権は日本でのレースがないし、イベントもあまり開催されていないので、今年は日本のファンの皆さんと触れあう機会が少ない。今回の8耐では、たくさんのファンの方たちから声援をいただいて、本当にうれしかった。SBKでも結果を出すために頑張らなくちゃ!
これから、ブランズハッチに向けて日本を発つ。日本での短いインターバルだったけど、リフレッシュできた。何よりも、子供たちやファンの皆さんからもらったたくさんのエネルギーで、次のブランズハッチではいいレースを見せたい。(2006.08.01) |
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| NORICK IN SUZUKA 8HOURS |
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| (写真左から順に)(1)今回の「ノリックと親子でバイク教室」には、TEAM NORICK JRの3人(左からコウタ、セナ、ユウヤ)も参加した。(2)講習で子供たちに注意事項を読み上げてもらう。ちゃんと読めるかな!?(3)僕がSBKで乗っているYZF-R1と、TNJのライダーたちが乗るミニバイクがズラリ。(4)まずは準備運動で体をほぐそう!(5)安全のため、しっかりしたプロテクター類を身に付ける。ヘルメットのサイズ選びも慎重に。(6)バイクにまたがると子供たちの目が生き生きしてくる。(7)お父さんやお母さんに面倒を見てもらっている子供たちの姿は微笑ましい。(8)バイクのレクチャーを受ける。こういう時は女の子の方がマジメ!?(9)さぁ、向こうの方まで行ってみよう。大事なのは遠くを見ることだよ。(10)あっという間に乗れるようになる子供たち。飲み込みの早さにはビックリ! |
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| ■089 2006.07.24 |
SBK Rd.7 BRNO, 2006.07.21 Qualify 1...20th/2'04.373
四苦八苦した1日 |
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去年のブルノは、Race2で4位。あと少しで表彰台という、いいレースができていた。今年は、ミザノのように去年悪かったサーキットでも少しずつ良くなってきているので、「行けるはずだぞ!」と期待しながらサーキット入りした。
チェコは本当に暑くて、気温35℃、路面温度は50℃以上。あまりの暑さにグリップが出ず、特にリヤのグリップ不足が深刻だった。リヤタイヤは3種類あったが、そのうち「これなら何とか大丈夫かな」というのは1つだけ。タイヤそのものの問題ではなく、マシンとタイヤと乗り方の相性の問題だけど、タイムを出しに行くにもタイヤの選択肢がないし、本数に制限があるから好き放題に使うこともできない。
そんな中でも何とかリヤまわりを中心にセットアップしていったが、四苦八苦しただけという感じ。予選の結果は20位。とにかくリヤのグリップが上がってくれないことには、話が始まらない……。 |
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SBK Rd.7 BRNO, 2006.07.22 Qualify 2...20th/2'03.431
何をやってもうまくいかない |
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午前中の予選は気温が低い分、「少しはよくなれば」と思っていたのだが……。昨日うまく行かなかったタイヤは、やっぱり今日もいいグリップが得られない。車体をセッティングしながら、セッションの最後には昨日選んだタイヤでタイムアタック。それでも20位と厳しい結果に終わった。
午後のフリー走行は、テストのつもりで大きくセッティングの方向性を振ってみた。車高を落としてみたが、リヤはもちろん、フロントまでグリップがダウンし、余計にうまくいなかくなってしまった。
リヤのグリップが得られないことには、コーナーの入口での進入スピードを上げられないし、出口でアクセルを開けることもできない。とにかく何をやってもダメ。厳しいレースになりそうだ。 |
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SBK Rd.7 BRNO, 2006.07.22 Race 1...9th/41'54.445
予選順位よりは上がったが… |
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朝のウォームアップ走行でさらにセッティングをする。コーナーの入口も出口も問題を抱えている状態だが、エンジンブレーキを減らせばもう少しブレーキングで突っ込める仕様になるかもしれない。クラッチ関連のパーツを変更したところ、多少はエンブレが減り、レースはその仕様で走ることにした。
Race1の序盤、3〜4周はタイヤが新品なのでそこそこのフィーリングで走ることができ、予選順位よりは前のポジションにつくことができた。ところが中盤以降はやはりリヤのグリップが急激に失われ、タイムも落ちてしまった。
そうこうしているうちに後ろから追い上げてきたチームメイトの中冨くんにパスされる。後ろについていくことはできたが、最後まで抜き返すには至らず9位でチェッカーを受けた。
予選20位、決勝9位なら多少は進歩しているのかもしれないが、それでもリヤのグリップという深刻な問題はまったく解消されないまま。弱った! |
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SBK Rd.7 BRNO, 2006.07.22 Race 2...12th/41'53.170
頑張っているのに結果が出ない |
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ここまで状況が悪い時は、Race1とRace2の間に大きくセッティングを変えてみたりするが、今回は金・土のうちにほとんどやれるだけのことをやり尽くしてしまっている。何をしても問題は解消しないから、少し考え方を変えて、旋回中のフロントの剛性感を出すために、フロントまわりを固めてRace2に臨んだ。
レースの内容自体は、ほとんどRace1と同じ。予選よりは上のポジションで走れたけど、周回を重ねるごとにリヤのスライドがひどくなってきた。それでも僕の直前にいたバロスと、どんどんポジションを上げていく。レース中盤でラコーニの後ろに迫り、1秒近く遅いペースで走っていたラコーニをパスしようとしたが、なかなかかわせない。後ろからは中冨くんが追い上げてきて、ラコーニ、バロス、僕、中冨くんの4台でバトルになった。
そして14周目にバロスがラコーニをパス。その2周後に僕もラコーニを抜いたが、バロスはすでに1秒近く先を行っている。かなり頑張って少しは差を詰めることができたけど、バロスを抜くことはできず、12位でレースを終えた。
中冨くんは僕のすぐ後ろ、13位でチェッカー。今回のブルノで、彼は今年一番の走りをしていたと思う。シーズンが進むにつれてどんどん進歩しているのは、マシンをうまく自分の走りに合わせられているからだ。僕もうまくマシンをセットアップできれば、いい結果に結びつくはずだ。頑張っても頑張っても結果が出ないのはつらいけど、もっと上をめざさなくては。
次のブランズハッチまでは2週間。ふだんならヨーロッパに残るところだけど、今回は8耐で「ノリックと親子でバイク教室」を開催するため、日本に帰国して鈴鹿サーキットに行く。SBKは日本でのレースがないので、僕にとっては日本のファンの皆さんと触れあえる貴重な機会。8耐では、ヤマハを始め、各スポンサーのブースでサイン会やトークショーなどが行われる予定なので、ぜひ鈴鹿サーキットに足を運んでください。楽しみにしています!(2006.07.24) |

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| ■088 2006.06.28 |
SBK Rd.6 MISANO, 2006.06.23 Qualify1...26th/1'37.265
トラブル続きだったフライト |
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バルセロナのアパートからミザノに向かった……のだが、とんでもないことになってしまった。本来ならバルセロナ〜ミラノ、そしてミラノ〜ボローニャというフライトで移動する予定だったのに、バルセロナ〜ミラノの飛行機がいきなりトラブル! 機内で2時間待たされた挙げ句、結局は飛べないということで全員下ろされ、チケット変更のためカウンターに並ばされた。これがまた全員並んでいるものだからめちゃくちゃ時間がかかり、並んでいたのは3時間以上……。ミラノ行きのフライトをローマ行きにして、バルセロナ〜ローマ〜ボローニャに経路を変更した。
ところがローマ行きも出発が1時間以上の遅れ! 乗り継ぎのフライトに間に合わず、結局ローマに1泊して、翌日ようやくボローニャに到着した。バルセロナ〜ボローニャ、28時間! まったくなんて長旅だ!! トラブルが多い航空会社だとは聞いていたが、まんまとハマってしまった。今度からは使わないようにしようっと!
そんなこんなで、予定が1日遅れて木曜日にサーキット入りした。ミザノについてビックリしたのはその暑さ。バルセロナやローマより暑くて、気温は35℃。しかも海に近いので湿度が高く、「これでレースするのはかなりキツいな」というコンディションだった。
ミザノでは1ヶ月ほど前にテストをしているので、初日の金曜日はその時のセッティングから走り出すことに。走り出しの印象は、やはり路面μが低くてとにかくグリップせず、思うようにまったく走れない。タイム自体、今回より気温が低かったテストの時の方がよくて、フリー走行は30台中26番手。一所懸命に走っているのにこの結果とは……。これは自分としてもかなりショックだった。
チーフメカニックの高久さんとミーティングをし、予選ではサスの調整をしていったが、一向によくならず、予選も24番手。チームメイトたちの方がタイムが出ている。ということは、自分のライディングスタイルの問題だ。僕は滑らせて走るタイプなので、路面μが低いミザノでは滑りすぎて前に進まないようだ。今日の段階では解決策も見つからず、本当に困り果ててしまった。 |
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SBK Rd.6 MISANO, 2006.06.24 Qualify2...22th/1'36.061
見えてきた「明るい兆し」 |
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走行2日目は、いきなり予選セッションから始まる。初期の動きがよく、奥の方で硬くなる仕様、その逆など、仕様違いのサスでいろいろな方向性にトライしてみる。でもあまり大きな変化はなく、結局22番手で終わってしまった。昨日よりは2つポジションアップしたが、チーム内でも最下位。このままでは全然ダメだ……。
午後のフリー走行では、ダメもとで別のトライをしてみることにした。リヤまわりの小変更だったのだが、これが意外なことに「あれ? ちょっとよくなった!」。今までは何をやってもダメだったのに、少し進歩した。決勝に向けて、少しだけ明るい兆しが見えてきた。 |
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SBK Rd.6 MISANO, 2006.06.25 Race1...10th/40'41.815
「絶対に前に出られる」と信じて |
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決勝日、朝のウォームアップ走行ではリヤサスの仕様を決めていく。しかしいいセットアップが見つからない。仕様違いを試しても「どっちもどっち」という状態だったが、その中でも、当初決勝で使う予定はなかったが、「これなら安定して走れそう」という方を選んでレースに臨んだ。
Race1のスタートはまずまず……と思ったが、ミザノはコース幅が狭く、あっという間に他のライダーたちにラインを阻まれてしまい、アクセルを戻さざるを得ない状況に。でも前半に焦っていい結果が出た試しがない。ここは焦らず落ち着いて、「絶対にイケるはず」と自分に言い聞かせながら、1台1台抜いていくことにした。
暑い中のレースで転倒者が続出し、さらに僕もどんどん前に出ていくうちに、チャウス、マーガリッジ、僕の3台でバトルになった。
ラスト2周までは、3台の中で僕が先頭だったが、その周のバックストレートでチャウスにかわされ10番手に。そのままチェッカーを受けた。バトルに負けたのは悔しかったが、22番手だった予選を考えれば12ポジションアップ。前向きに受け止めて次のレースに臨みたいところだ。
ピットに戻って、すぐに高久さんとミーティング。リヤのグリップ不足もそうだが、リヤの暴れやチャタリングも問題だ。とりあえずは暴れとチャタリングの解消を狙って、スプリングのレートやイニシャル、さらに車高と、Race1と2の間としては大がかりな変更をした。 |
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SBK Rd.6 MISANO, 2006.06.25 Race2...13th/40'44.273
確実な進歩を続けたレースウィーク |
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Race2のスタートは出だし自体はよかったが、ラインを阻まれてアクセルを戻すことに。「Race1と同じじゃないか!」と思いつつ、「行くしかない!」と気持ちを切り替える。
ミザノはコース幅が狭く抜くのが大変だが、前車を抜くと、一気にその前のライダーに追いつくことができる。それだけいいペースで走れているということは、セッティングが間違えていなかったことの証だ。
抜いては追いつき、抜いては追いつきを繰り返しながらポジションを上げていくと、マーガリッジとのバトルに。マーガリッジの前にはニエトとフォレがいて、接近戦になった。Race1ではマーガリッジをスパッと抜き去ることができたが、今回はそううまくいかない。アタックして前に出てもラインがクロスして抜き返されてしまい、手間取ってしまった。
その間に、上位走行中だったベイリスが転倒し、再スタートしてマーガリッジの前に入った。これでニエト、フォレ、ベイリス、マーガリッジ、僕という順番だ。マーガリッジは動揺したのかペースが落ち、このままではベイリスが離れていきそうだったので、ラスト5周というところで何とかマーガリッジをパス。すぐにマーガリッジを引き離しながらベイリスを追う。周回を重ねるごとに目に見えてベイリスが近づいてきたが、さらにペースを上げようとしたら、フロントが大きくスライド! 転びそうになってしまった。
これでいったん冷静になって確かめながら走ってみると、かなりフロントが滑っている。バトルに集中していたから気付いていなかったけど、実はかなり危ない状況だった。結局はそのままのポジションで、13位フィニッシュとなった。結果だけ見れば、ポジションはRace2より下げてしまったが、それでもトップとのレースタイム差は10秒短縮できている。セッティングの方向性は間違えていなかったようだ。
それにしてもこの暑さの中で2レースをこなすのは大変だ! 去年も「ハードだな」と思っていたが、Race1で転倒しているので、実質1レース走っただけだ。猛暑の中、暴れるマシンを抑え込みながら、ライバルとバトルする。いろんな条件が重なって去年以上にハードな決勝日となった。それでも、どうにもならなかった金曜日、土曜日に比べれば確実に進歩して、うまく形にできたと思う。
次はチェコ。去年はRace2で4位になっているコースだ。去年最悪だったミザノで、今回少しはレースがまとめられた。チェコでも去年よりいい結果が出せるのではないかと、自分の中でも期待が高まっている。(2006.06.28) |

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| ■087 2006.06.17 |
SBK Private Test at EUROSPEEDWAY 2006.06.14〜15
ハンパじゃない暑さ |
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シルバーストーンでのレースを終えると、次のサンマリノは4週間後。そのインターバルにあたる6月14〜15日、ドイツ・ラウジッツリンクでテストが行われた。このコースを走るのは、去年のレース以来2度目だ。
最初の走行はコースを思い出しながらだったが、滑り出しとしては悪くない。ここは路面グリップが高く、いつものリヤのグリップ不足がそれほど大きな問題にならない。ただ、トラクションがよくなる分、シルバーストーンのままのセッティングではワイドにはらんでしまうので、リヤを固める方向でセッティングを進めていった。
午前中の走行が終わる頃には、去年のスーパーポールから0.4秒落ちというタイムが出せた。去年型の決勝用タイヤを履いてのタイムとしては、まずまずといったところだ。
今回ドイツに来てビックリしたのは、気温30℃、路面温度50℃という暑さ! これほどの暑さの中を走るのは久しぶりなので、午後の走行ではハンパじゃない量の汗をかいた。スタッフともども「これは暑いね!」と汗だくになりながらセッションをこなしていく。いろいろなセッティングにトライしたが、午前中のタイムを更新できなかった。明日はパーツのテストをしながら、さらにセッティングを煮詰めていきたい。 |
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SBK Private Test at EUROSPEEDWAY 2006.06.14〜15
伸び悩んだタイム |
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昨日と同じで快晴。今日も暑くなりそうだ。午前9時半から走り始めて、昨日のベストに近いタイムはすぐに出せるが、そこから伸び悩む。セッティングを変えてみるとタイムが落ちてしまう。元のセッティングに戻すと、ベストタイムぐらいは出るが、その先が見えてこない。セッティングの振り戻しを繰り返す中でも、バンピーな場所で跳ねてしまったり、コーナーの立ち上がりではらんでしまって早めにアクセルを開けられない、といった問題が解消できなかった。
インジェクション関連や吸排気系のパーツもテストしたが、どれも体感的には大きな違いはなかった。ただし悪くもなかったので、新しいパーツを組んだ状態で走行する。セッティングも微調整を繰り返したが、なかなかいい所が見つからない。結局は初日と変わらないタイムしか出せず、本当に困り果ててしまった。
このコースでレースが行われるのは9月。その頃には涼しくなっているはずだ。気温が変わればマシンのフィーリングも大きく変わるので、問題が少しでも解消されればいいのだが……。(2006.06.17) |

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| ■086 2006.06.04 |
TEAM NORICK JR
成長している TEAM NORICK JR |
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6月3日にTEAM NORICK JRとしてはロードレース2戦目となる、筑波サーキット本コースでの筑波ロードレース選手権第2戦があった。出場クラスは、前回同様ベテランライダーたちが熾烈なレースを展開するS80クラス。ライダーはもちろん山田セナくんだ。
4月に行われた初戦では事前テストがほとんどできず、ぶっつけ本番状態で出場したが、セナくんは予選から勢いある走りをし、予選11位、決勝7位と大活躍した。その後、サスペンションやエンジンを改良し、テストも順調に進められて行ったのだが、今回のレースの最終調整にあたる2日前のテストで、なんと2回も転倒! 最初の転倒は筑波サーキットの最終コーナー。かなりの高速コーナーなのだが、もともと苦手意識を持っていてなかなか上手く攻められなかったセナくん。たぶん思い切って突っ込んで行った結果、タイヤがグリップを失ってしまったようだ。
マシンを整備し、気を取り直して走行開始したが、今度は第2ヘアピンの進入時にエンジンが焼き付いてしまい、再びマシンから投げ出されてしまった。セナくんには怪我がなかったので不幸中の幸いだったが、エンジントラブルはライダーの責任ではない。本当に申し訳なく思う。
そんな状態で迎えたレース当日の予選では、周回を重ねるごとに徐々にタイムアップしていき、15番手グリッドとなった。初戦の予選は11位だったので本人もスタッフも少し不満足といった様子だった。でも僕は、「セナくんはまだまだ若い。2日前の転倒で多少なりとも恐怖感が残ってるのは当然だ」と思っていたので、結果には満足していた。
そして決勝。4列目から抜群のスタートを決め、オープニングラップは8位で帰って来た! しかしトップ集団のペースが速い! 1〜7位までが団子状態になり、徐々に引き離されていく。セカンドグループではセナくんを先頭に3台でのバトルになり、中盤には何度も順位を入れ替える。「グループの先頭でゴールするのは厳しいかな〜?」と思っていたレース後半、1人抜き、また1人抜き、最後はセカンドグループ先頭の8位でチェッカーを迎えた。
今回もまた熱くさせてくれたセナくんに感謝している。レースでは、完全に2日前の転倒の恐怖を乗り越えてくれたようだ。こうやって、3歩進んで2歩下がることを繰り返して成長していく。次のレースまでには、マシンの方もさらに進化させてあげたいと思った。(2006.06.04) |
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| NORICK'S PHOTOGRAPH |
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| 写真左から順に(1)マシンを整備するセナくんのお父さん。すごく熱心で時間さえあればテストにも連れて行ってくれている。(2)この春、中学生になったばかりのセナくん。素顔はまだまだ少年だ。(3)さ〜て、これからレース! いざパドックへ。(4)出場ライダーが1列に並ぶピット前。緊張感が漂う。(5)スタート前、「リハビリのつもりで力を抜いてレースしよう!」と声をかけ、送り出した。 |
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| ■085 2006.05.29 |
SBK Rd.5 SILVERSTONE, 2006.05.26 Qualify 1...16th/1'28.246
相次いだ転倒 |
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前戦モンツァでは、体のあちこちを傷めてしまった。特に心配だったのは、痛みのひどかった右手。ブレーキがしっかりと握れるか不安に思いながら、シルバーストン入りした。
サーキットに到着した水曜日は、雨。木曜日は晴れ。予報では、金・土は雨で日曜日は晴れ、とのこと。……まぁ、イギリスは毎年こんな感じだ。
走行セッションが開始された金曜日は、予報通り朝からずっと雨。フリー走行が始まる前に雨そのものは上がったけど、路面はフルウェット。走っているうちに少しずつ路面の水の量は減ってきたが、タイヤもセッティングも完全にレイン仕様で臨んだ。フィーリングは今ひとつで、グリップがうまく出ない。もし決勝も雨だったら、厳しいことになりそうだ。
午後からの予選は、完全に雨が上がった。ほんの少しウェット部分が残っていたが、ほぼフルドライだ。走行が始まってすぐ、1台が転倒! 次の周も誰かが同じ場所で転んで、見たら中冨くんだ!「大丈夫かな」と思っていた矢先、またまた同じ場所で転倒発生! みんな同じ場所で転倒が相次ぎ、赤旗中断となった。
赤旗が出てからピットに戻るまでの間、ゆっくり走りながら「現場」を確認してみたが、ハッキリした原因が確認できない。そして再スタートとなってから2周目、同じ場所でまた転倒発生! その次の周、またまたその次の周と立て続けに転倒があり、再び赤旗が出された。
今度ばかりはオーガナイザーも「こりゃまずい」と思ったのか、徹底的に路面のクリーニングを開始。ブラシの付いたクルマで清掃してからの再スタートとなった。その後は誰も転ばなかったので、僕も一安心。どうやら光の加減で見えにくいウェットパッチがあったようだ。
そんなこんなでバタバタした予選となったが、前回のモンツァでは満足に走れなかったので、バレンシア仕様のセッティングで走った。それほど悪くはなかったが、赤旗中断の影響もあってきっちりと煮詰めることができず、ポジションは16番手。決していい位置じゃないけど、スーパーポールに出られる。そこでなんとかポジションアップしたい。 |
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SBK Rd.5 SILVERSTONE, 2006.05.27 Superpole...15th/1'42.069
なかなかドライで走れない |
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午前中の予選2回目はどんよりと曇っていて、いつ雨が落ちてきてもおかしくない状況。そして走行の準備を整えてピットに行くと、雨だぁ……。でも、この調子だと明日の決勝も雨の可能性があるので、セッションの最初のうちから走ることにした。
コースは至る所に川ができていて、完全な本降り。しばらく走ってからピットで様子を見ることにしたが、雨足は弱まらず、もちろん昨日のドライでのタイムを上回るはずもなく、そのまま予選終了で、16位確定となった。
午後のフリー走行は1時間。今度こそドライで走りたかったが、雨は降り続いている。でもウェットのセッティングも煮詰める必要がある。セッティングを繰り返しながらのセッションとなったが、フィーリングはよくならないままスーパーポールを迎えた。
ウェットコンディションでのスーパーポールは、50分の中でピットイン・ピットアウトのラップを含め12周走り、ベストタイムを競う。「序盤のうちにタイムを出しておこう」と、セッションが始まってすぐにピットアウトし、5周した。雨は止んでいたがほとんどフルウェットだ。そのままピットで待機し、水の量が減ってきた終盤に再び走行。序盤と状況はあまり変わっていなかったが、2秒タイムアップして予選より1UPの15番手グリッドとなった。
夕方になって、天気がよくなってきた。ウェットのセッティングがうまく行っていないので、このまま明日は晴れてほしいところだ。 |
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SBK Rd.5 SILVERSTONE, 2006.05.28 Race 1...10th/41'22.102
現状では精一杯の走りをしたが…… |
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20分のウォームアップ走行では、リヤ周りのセッティング変更にトライ。悪くはなっていないが、とにかく時間がなくてしっかり確認できないまま14位で終了。このままRace1に臨むことになった。
バックストレートの後にハードブレーキングがあり、フリー走行や予選では長く走ると右手の痛みがあった。「右手はもつかな〜」と不安を感じつつ、Race1がスタート。よくも悪くもないスタートを切った。序盤は激しい混戦になるので、ここであまり無理するわけにはいかない。周りの状況が落ち着いてからペースアップし、予選の1分28秒3を上回る28秒1というタイムで走行。悪いペースではない。
序盤のうちに加賀山くんやファブリツィオなど数台をパスして、9位単独走行に。数秒先にマーガリッジとラコーニがいて、「追いつくぞ!」と頑張ったが、なかなか差が縮まらない。そのうちサインボードで後続が接近していることを知り、抜かされた時にバロスと分かった。バロスはいいペースで走っていたので、何とかついていこうとしたが、毎周少しずつ離されてしまう。結局数秒の差をつけられ、10位でレースを終えた。
自分としては頑張ったと思うし、悪い走りではなかった。今のパッケージではこれが精一杯だ。本当に困った! チーフメカニックの高久さんと相談して、大幅なセッティング変更はできないが、Race2は前後サスを少し固めてみることにした。
そういえば右手は、レース中盤に「ちょっとヤバイかな」と思う時もあったけど、その後は痛みに慣れたのか麻痺したのか、後半は特につらいこともなかった。これならちょっと安心だ。 |
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SBK Rd.5 SILVERSTONE, 2006.05.28 Race 2...11th/41'16.742
パッケージ全体のレベルアップを |
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そしてRace2。できればスタートで前に出たい。いつも通り集中して、ラインをイメージしながらスタート! まずまずだったが、1コーナーへの進入で集団に飲み込まれてしまい、結局はいいスタートにならなかった。
序盤から周りのペースが速い! 置いていかれないようについていくと、2周目には1分27秒台。全体的にすごいハイペースだ。そのままみんなハイペースの波に乗ったまま、大人数のバトルになった。
レースが落ち着いた頃には、ニエト、ワイルドカード参戦のヒル、ラコーニ、僕の4台での争いに、ニエトが抜け出したが、僕も限界近くで走っていたので追うのは難しい状況だ。ラコーニとヒルとは接近していたので、ラスト2周のヘアピン進入でラコーニをパス。そのままの勢いでヒルの真後ろについた。コース後半のセクションは僕の方が速いので、ヘアピンで抜けば抜き返されない自信がある。これがうまくいって、ヒルを抑えて11位でチェッカーを受けた。
ポジションとしてはRace1より下がったが、内容やタイムは今回の方がよかった。でも……、やるべきことをすべてやり、自分としてもベストを尽くしても結果が悪い今回のような時は、本当に困る。現在のパッケージとしてはこれが限界じゃないかと思う。もちろんパッケージの中では、ライダーである僕のウェイトも大きいので、僕自身レベルアップをし続けなければいけない。それと同時に、何とかマシンももう1歩前進させなければ。いくらシルバーストンを走り慣れているライダーとはいえ、ワイルドカード参戦のヒルと争っているようでは……。
次戦ミザノの前には、ドイツのラウジッツリンクで2日間のテストがある。ここでいい成果を出し、ミザノにつなげたい。(2006.05.28) |
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| NORICK'S PHOTOGRAPH |
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| 写真左から順に(1)木曜日は、イギリスにしては珍しく快晴。チームのトラックが青空に映える。(2)サーキットによって毎回ピットの広さが違う。シルバーストンは今年一番の広さ。ゆとりあるスペースでレースウィークを過ごせた。(3)金曜日から雨が降り出してしまった。濡れたピットロードが鏡のようだった。(4)土曜日も雨。コースもフルウェットだ。(5)ウェットでは最後までいい感触が得られなかった。今後の大きな課題のひとつだ。 |
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| ■084 2006.05.09 |
SBK Rd.4 MONZA, 2006.05.05 Qualify 1...19th/1'49.497
160km/hからのハイサイド |
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前回のバレンシアではいいレースができ、ようやく波に乗れてきた。だが、今回のモンツァはバレンシアとはまったくキャラクターの違うハイスピードコースで、多用するエンジン回転域がまるで異なり、高回転域をキープしながら走る時間が長い。
フリー走行でのフィーリングはもうひとつ。バレンシアのように順調にタイムが伸びる気配はない。それでも、いつ雨が降ってきてもおかしくないどんよりした曇り空で、レース関係者の間では土日も雨だと言われていたので、何としても今日のうちにタイムを出す必要がある。そんなことを考えながらセッティングを進め、「こういう感じかな?」という方向性が見えてきた。
午後の予選は、もしかするとレースウィーク通して最後のドライセッションになるかもしれない。しかも走行開始前に雨が落ちてきて、今にも本降りになりそうな様子。こうなると、とにかく早いうちにタイムを出さなくてはならない。
みんな同じ考えだったようで、コースオープン前のピットレーンには多くのマシンが並び、シグナルがグリーンになると同時にコースに飛び出していく。もちろん僕もその中にいたが、コースイン直後に電気系の調子が悪いことに気付き、すぐに緊急ピットインした。
まったく予期せぬトラブルだったので、スペアマシンは前後ともタイヤが付いておらず、セッティングも合わせていない状態だった。時間がないからとりあえずその状態で再びコースインしたが、自分の中でも出遅れたという焦りがあったのだと思う。
マシンを換えてから数周走り、雨が落ちる中、まだイケる、まだもう1周、と周回を重ね、少しずつタイムを上げていった矢先のことだった。バックストレートに向かうシケインの立ち上がりの縁石に乗り、「まずいかな!?」と思った瞬間にハイサイド! ハッと気付いた時には宙を飛んでいた。ドライの時ならみんな普通に乗っている縁石だが、雨でスライドしやすかったようだ。
実は「縁石に乗って一気にハイサイドを起こした」という状況も、クラッシュした場所も自分ではハッキリ覚えていなくて、後からカメラマンに聞いたり、コンピュータのデータを見直して分かったこと。データによると160km/hからのハイサイドだった。
宙を飛んだのは覚えているが、次の記憶は担架で救急車に乗せられるところだった。病院で診察を受けたが、さすがに160km/hで宙を飛んだとあっては全身痛くて動けないし、今、自分がどこにいるのかもハッキリせず、メカニックに「ここはモンツァ?」と聞いていた。
しばらく経ち落ち着いてみると、特に痛むのは右手全体と左手首。腰も強打しているようで、同じ体勢で固まってしまい動けなくなる。転んだ時に頭も強く打ったみたいで記憶は途切れ途切れだし、首も痛い。結局4時間ほど病院にいて、夕方サーキットに戻った。
ピットにあったマシンは完全に廃車。フレーム、スイングアーム、前後ホイールともグシャグシャで、辛うじて使えるのはエンジンとサスだけという状態だった。
チームスタッフは「今回のレースはやめるか?」と気遣ってくれたが、僕は「いや、明後日の決勝は何が何でも絶対に走る。明日も走れるようなら走りたい。申し訳ないけどマシンを用意しておいてほしい」と伝えた。
そんな話し合いの後、早々にモーターホームに引き上げさせてもらった。頭が痛かったことと、明日の走行のことを考えるとすぐには寝付けなかったが、いろんなことをなるべく考えないようにしているうちに、いつの間にか眠っていた。 |
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SBK Rd.4 MONZA, 2006.05.06 Qualify 2...Cancelled(Grid 27th)
決勝レースは絶対に走る! |
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目が覚めると体がまったく動かない。腰に加えて尻も強打していたようで、ベッドから起き上がるのさえ辛い。支度するのも時間がかかる。何とかピットに行き、走れるかどうかマシンにまたがってみた。
手が腫れていたので苦労しながらグローブをはめ、マシンにまたがったが、痛みがひどくてグリップをまともに握れない。スタッフには「せっかく準備してもらって申し訳ないけど、今日は走れない」と走行をキャンセルすることにした。
その足でクリニカモービルに行き、2時間ほど腰と首と両手のマッサージと電気治療を受け、後は安静にして過ごす。夕方、もう一度クリニカモービルで同じ治療をしてもらう。朝の段階より、かなり調子はよくなってきた。明日は走れそうだ!
こんな風にレースウィークに1周も走れない1日を過ごすのは、初めてだと思う。でも、決勝レースに出ることの方がずっと重要だ。今は自分のコンディションを整えることに気持ちを切り替えた。 |
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SBK Rd.4 MONZA, 2006.05.07 Race 1...R
さんざんだったRace1 |
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ウォームアップ走行に向けて準備をし、マシンにまたがってみると、昨日よりはグリップが握れる。これなら走れそうだ! 20分のウォームアップ走行は、決勝のシミュレーションを兼ねて通しで走ることにした。どの程度痛むのかを知りたかったから、あえて痛み止めも飲まずに走り出した。
腰がかなり痛むが、集中していれば気にならない。ただブレーキングでの両手の痛みはかなり激しい。モンツァは6速300km/hから1速まで落とすようなハードなブレーキングポイントがあり、かなり手に負担がかかる。全身の痛みから無意識のうちに体の動きが遅くなっているようで、切り返しが重く感じて速く走れず、スライド時の対処もいつものようにいかない。体が思うように反応してくれないので、何度か「怖いな」と思う場面もあった。
でも、11周して最終ラップにベストタイムが出せたし、何とか持ちこたえられそうだ。「レースは集中して行けば絶対に大丈夫だ!」と自分を信じて、決勝に向けて準備した。
痛み止めを飲んで臨んだRace1。かなり集中でき、いけそうな手応えもあった。ただしグリッドは7列目なので、とにかくスタートで前に出ないといいレースができそうにない。そして迎えたスタートは、自分としてはまずまずの出来。1コーナーのブレーキングをかなり深くとって10数台をパスし、真ん中よりは前に出られた。
ところが後方イン側からすごい勢いでコース外の芝生を突っ切っていくライダーが見えたと思ったら、こともあろうに僕の目の前の選手に突っ込んだ! 本当に目の前の出来事で避けようもなく、僕の前後含めて7台の多重クラッシュに。悔しいことにそのままリタイヤとなった。右手を強打したのでその場でグローブを外して確認したが、見た目こそ変わっていなかったものの痛みが激しさを増してしまった。
イタリア人のナネーリがブレーキングをミスしたようだが、僕自身はものすごく集中できていたし、スタートでも前に出られてた分、「何なんだよ!」と怒りが込み上げた。しかも転倒で手の痛みはひどくなるしで、ホントにさんざんなレースとなってしまった。 |
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SBK Rd.4 MONZA, 2006.05.07 Race 2...16th/33'09.221
スタッフのサポートに報いたかった |
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Race1のクラッシュで、右手の痛みは完全に悪化してしまい、「これはヤバイかな」と思うほど。Race2までの間にとにかく冷やして、痛み止めを飲む。でも、Race1の時ほど薬が効いている印象がなく、「キツイレースになりそうだな」と思っていた。
それに、こんな風に体の調子が万全ではない時は、いつも以上の集中力が必要になる。でもRace1で闘争心を使い果たしてしまったみたいで、自分の中で「イケる!」という感覚がない。でも、「絶対にいいレースをしなくちゃ!」と気持ちを高めてRace2のスタートに臨んだ。
スタート自体は、Race1よりもよかった。1コーナーのブレーキングに差しかかるまでに、すでに中盤ぐらいまでポジションアップできていたと思う。でも、手の痛みがひどくてフルブレーキングができない。1コーナー進入時にはポジションを落としてしまった。
まともにバトルできるような状況ではなく、ポジションも真ん中より後ろ。さらに、直前を走るクレメンティのペースが上がらない。僕としては早くクレメンティをかわして、その前のシャウスを追いかけたかったが、クレメンティのマシンから霧状のオイルが出て、シフトダウンのたびに白煙を上げている。いつ壊れるか分からないので真後ろにつくこともできないし、ブレーキングでの踏ん張りも効かないしで、クレメンティに手こずっている間に一気に前と離れてしまった。しまいにクレメンティはオイルを噴いてハイサイドで転倒! 直前の出来事だったけど、念のため少し距離をおいていたから追突せずに済んだ。真後ろについていたら危なかった。
クレメンティが転んで単独走行になってからはなかなかペースがつかめず、転ばないように走るのが精一杯。何とか最後まで走り切ったが、16位でポイントはゼロ。「せっかく走り切ったのに0点か」と、ガックリした。レース後は、痛みと疲れとガックリ感でまったく力が入らず……。手を冷やしながら、30分ほどピットから動けなかった。
本当にツキのない週末だった! ツイてない時はここまで不運が重なるのか……。自分の焦りが発端だということもあって、マシンを懸命に整備してくれたチームスタッフには本当に申し訳ない気持ちがあった。みんなの頑張りに報いるためにも、何とか決勝でポイントを獲りたかったのに……。
チームは火・水・木とチェコでテストをするのだが、僕だけキャンセルさせてもらい、いったん日本に帰国。病院でしっかりと治療してもらうつもりだ。ただ本当にラッキーなことに、骨折がない。それほど長引かずに済みそうなのは、不幸中の幸いだ。(2006.05.08) |
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| NORICK'S PHOTOGRAPH |
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| 写真左から順に(1)木曜日、WSSにエントリーしている藤原克昭くん、そしてジャーナリストの遠藤智さんと一緒に、モンツァ近くの和食レストランで食事した。克ちゃんはこの近くに2年間住んでいたことがあり、周辺事情に詳しい。ここも通い慣れた店だということだった。(2)転倒後のレーシングスーツとヘルメット。装具のおかげで人間は不幸中の幸いで大きなケガにならずに済んだが、バイクはボロボロに……。(3)僕が走らなかった土曜日。クリニカモービルでの治療を終えてから、午後のフリー走行前の中冨くん、そして遠藤さんと一緒にチームのホスピタリティで食事。さらに今回は、ムジェロでのテスト帰りに伊藤真一さんが応援に立ち寄ってくれた。親友の伊藤さんは、いろいろと心配してくれた。 |
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| ■083 2006.04.25 |
SBK Rd.3 VALENCIA, 2006.04.21 Qualify 1...7th/1'35.974
進化したエンジン |
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開幕戦と第2戦、合計4つのレースを戦ってみて、明らかになったのは他チームとのマシン差だ。チームもかなり危機感を持ち、今回のレースまでの2ヶ月のインターバルに、いろいろな仕様のエンジンを用意してくれた。
2度のテストで6、7種類の仕様をテストしてみたが、残念なことに一向に状況はよくならなかった。でも、ミザノテストでチームメイトのジンベールが試した仕様があり、彼いわく「すごくよかった」とのこと。実際、タイムも速かったので、今回のレースは僕と中冨くんもその仕様のエンジンを使うことにした。
1回目のフリー走行は、ものすごく路面がスリッピー! 2週間前にテストした時のつもりで走り出したらズルズルに滑り、コースインしてすぐにハイサイドを食らいそうになってしまった。立ち上がりでアクセルを開けるとハイサイドを起こしそうになるので、旋回速度を高めようとすると今度はコーナー進入でもハイサイドしかけてしまうほどで、どうにもならない……。それでも順位は13番手。「あれ!? こんなにフィーリングが悪いのに!?」とちょっと驚いてしまった。
サスを柔らかめにセッティングして臨んだ午後の予選。今まで履いたことがない一番ソフトなタイヤを使ってみた。するとセッション序盤のうちに、前回のテストの自己ベストと同じ1分35秒9が出た。しかもピットインしてみると、2番手ポジション。「エーッ!? 今ので2番手!?」とまたまたビックリだ。
試しに他のタイヤも履いてみたが、グリップはもうひとつだった。残り10分を切ったところで、一番ソフトなタイヤの新品を履き、タイムアタック。ところがコース上は誰かに引っ張ってもらってタイム出しを狙う「待ちライダー」がたくさんいて、ラインをふさがれてしまった。
結局タイムアップはできず、序盤に出したタイムで予選1回目は7番手に。本気のアタックができなかったのは残念だったが、チームスタッフが大喜びしてくれたので、僕も満足だ。
このエンジンはよさそうだ! 体感的にはそれほど大幅に変わっていないが、あれよあれよという間にいいタイムが出るのは、やはりちょっとしたストレート区間の伸びやコーナー間の加速がいいからだろう。 |
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SBK Rd.3 VALENCIA, 2006.04.22 Superpole...8th/1'35.701
2列目グリッドを獲得! |
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朝から雨。水曜日にバレンシアサーキット入りしたが、その時も本降りの雨だった。今回は木・金・土とずっと天気が悪い……。午前中の予選は、雨こそ上がっていたが路面はハーフウェットで、走ってもタイムアップは望めそうになく、しばらく様子を見ることにした。
コースが乾きだした30分過ぎにコースインしたが、攻めるにはまだリスキーだ。残り10分ほどでほぼドライになったが、ラインを外すとまだウェットパッチがあるような状態。それでも2人のライダーが昨日の僕よりいいタイムを出し、予選9番手となった。
でも、スターティンググリッドが決まるのはあくまでもスーパーポール(SP)。SPに出られる予選1〜16位までは、感覚的には同じだ。だから7位から9位にポジションダウンしたことを悔しがるより、「SPがドライになれば、絶対ポジションアップできるはずだ!」と気合いを入れ直した。
午後のフリー走行では、リヤのトラクション不足を解消するためにサスを微調整。セッションの最後に、SPの予行演習として予選用タイヤでタイムアタックした。結果は1分35秒5で4位。はっきりとグリップアップが感じられたし、直前に一発タイムが出せたことで、リラックスしてSPに臨めた。
いよいよSP。僕のスタート順は真ん中あたりだ。他のライダーの走りやタイムを見ていると、結構スライドしているようだ。「路面状況がよくないんだろう。気を付けないと」と思う反面、「この調子だと、さっきのフリー走行のタイムが出せればいいポジションが獲れそうだ」と気持ちが高まる。
そして自分の番が来た。1ラップに集中するが、予想以上に路面グリップが低い。フリー走行の時より気温が下がっていて、おそらく路面温度も5℃ぐらい下がっていたはず。その影響で、同じタイヤにも関わらずフィーリングも変わってしまった。
タイムは1分35秒7。途中、右コーナーで大きくリヤを滑らせてしまい、コンマ2秒はロスしていると思う。「このタイムだと……、どうかな」と不安もあったが、皆にとっても条件はよくなかったようで、予選より1UPの8番手グリッドとなった。今、僕たちのチームが置かれている苦境を考えれば、2列目スタートは上出来だ。 |
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SBK Rd.3 VALENCIA, 2006.04.23 Race1...4th/37'21.760
表彰台が見えた |
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またしても朝からずっと雨。ウォームアップ走行の頃には雨は上がったが、路面はフルウェットだ。決勝が雨の可能性もあるから走行したが、今年初のレイン走行はあまりフィーリングがよくない。雨だと大変そうだ……。
決勝は両レースとも何とかドライコンディションで行われた。いざ2列目グリッドについてみると、やはり前に他のライダーが少ないのは気分がいい。「スタートを決めればいいレースができるぞ!」と気合いが入る。そこそこいいスタートが切れて、1コーナーに入った時は3位。「とにかくレースが落ち着くまでは熱くなりすぎずに行こう」と自分に言い聞かせていたが、他のライダーたちはかなりアグレッシブで、1、2周の間に6番手まで順位を下げてしまった。
でも、序盤からあまりグリップがよくない。ここは冷静に様子を見ながら、後半に勝負をかけることにした。だんだんペースを上げ、ランジと芳賀くんと僕の3台が接近しての3位争いに。でも、僕としてはついていくのがやっと。「前の2台が競り合ってワンミスがあればチャンスがあるはず」と、2人に食らいつきながらチャンスを待つ。残り4、5周というところで芳賀くんのペースがガクンと落ちて、ランジが遠ざかっていく。僕もすぐに芳賀くんをパスしてランジを追ったが間に合わず、4位でチェッカーを受けた。
表彰台を逃した悔しさはあるが、ここまでの2戦では表彰台なんてまったく見えていなかったんだから、すごい進歩だ。でも、僕や芳賀くんはリヤがスピンしてしまうのでアクセルを開けられない立ち上がりで、ランジはほとんどスピンせずにガンガン開けていた。だから立ち上がりで離されてしまう。まだまだ課題は多い。 |
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SBK Rd.3 VALENCIA, 2006.04.23 Race2...4th/37'22.512
さらに険しい道が続く |
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Rece1の結果はよかったが、内容的には納得できないものだった。そこでRace2はタイヤをハードに替えることにした。ピレリのスタッフには「せっかくRace1で調子がよかったのに、なぜ替えるんだ? やめた方がいいよ」と止められたが、「絶対ハードの方がいいと思う」と、考えを押し通した。さらにブレーキングで勝負できなかったことと、リヤのトラクション不足を少しでも解消するために、フロントを固め、リヤを柔らかめにセッティング変更した。
Race1の調子がよければ、何もいじらずになるべく同じパッケージでRace2に臨むのがセオリーだ。でも、さらに上を狙うなら、同じことをしていても先がない。
Race2のスタートはまずまず。また1コーナーへの進入では3位だったが、芳賀くんとランジに抜かれて5位に。その後、自分のペースをつかんだが、目の前のランジのペースが上がらず、さらに前の芳賀くんが離れていく。ランジを抜こうと何度もトライしたが、少しはよくなったもののまだエンジンパフォーマンスには差があって、どうしても立ち上がりで離される。
突っ込みで追いつき、立ち上がりで離されを何度も繰り返し、何回もトライして12周目にようやくランジをパス。4秒以上先行している芳賀くんに追いつくよう、今まで以上に集中。みるみるうちに芳賀くんが近付き、パスして3位に。しかし最終ラップのホームストレートでランジにかわされ、Race1と同じ4位となった。
ランジにパスされてから彼の走りを確認したが、すごくグリップしていてトラクションもしっかりとかかっているのが分かった。僕はと言えば、もともとエンジンパワーに差があるところへきて、リヤのグリップが失われてトラクションがかけられないレース後半、そのパワーすらまともに使えないのだ。正直、ランジに勝つのは難しかったかな……。でも、今の段階で自分のできることはやったし、力は出し切れたと思う。 |
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SBK Rd.3 VALENCIA, 2006.04.21-23
乗れていることが証明できた! |
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Race1、Race2と続けて表彰台を逃したのは悔しいし、トップチームとの差はまだまだ大きい。でも、開幕戦と第2戦を思えば夢のようなレースができた。エンジンが少しよくなっただけでこんなにいいレースができるなんて、「今後さらにマシンが進化すれば、もっといいレースができるはずだ」と改めて確信できた。
もう1つ確信できたのは、「自分は乗れている!」ということだ。今回のレース後も、「だいぶ調子よくなってきたね」と言われたりしたが、自分自身としては、去年の後半から同じレベルの走りはできている、と信じ続けてきた。だからマシンのポテンシャルが少しアップしただけで、すぐにいい結果が残せたということは、自分が乗れていることの証明になったと思う。チームからの信頼も得ることができたし、何よりも自分自身に対する信頼を取り戻せた。
ただ、今後もこういうレースが続けられるとも思っていない。確かに乗れているし、いいマシンを用意してくれればいい結果が出せることは証明できたと思う。でも、マシンはトップレベルにまで進化したわけではない。マシンが「少し」よくなったことに加えて、バレンシアが僕の好きなコースだったことが、今回の結果につながっただけだ。
去年は、トントン拍子で第3戦バレンシアまで来て、さらにいいレースができたから安心してしまった面があった。でも、今年はそう甘くはないことが分かっているから、有頂天になんかなっていられない。チームは今回のレースで士気が高まったと思うし、「エンジン開発の方向性が見えたから、ステップバイステップでよくしていくよ」と言ってくれた。僕自身も今回の結果で油断することなく、気を引き締めたまま1つ1つのレースを戦うつもりだ。 |
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| NORICK'S PHOTOGRAPH |
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| 写真左から順に(1)これから続くヨーロッパラウンド。レースウィークはこのモーターホームで過ごすことになる。(2)ピット内のパーティションも今年バージョンのデザインに様変わり。(3)新しいスペックのエンジンへの換装。金曜からの走行に備えて、メカニックたちが夜遅くまで入念にチェックしてくれた。(4)今年から、僕のチームのサインボードエリアにもテントができた。まだできたてのホヤホヤで、カラーリングが施されるのはこれからだ。 |
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| ■082 2006.04.16 |
SBK Official Test at Misano Circuit, 2006.04.12〜13
リヤのスライドが収まらない |
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4月12〜13日、イタリア・ミザノで合同テストが行われた。前回のバレンシアテストで転倒・負傷してしまったテンケートチームのマガリッジとトスランドは不参加だったが、その他は全チームが参加。レースさながらの緊張感のあるテストとなった。
ここミザノは、SBKにスイッチした去年に初めて走ったコースだ。去年のレースは真夏の暑い中、フリー走行から決勝レースの全セッションで、まったく思い通りに走れなかった苦い思い出がある。どうセッティングを変えてもリヤのグリップ不足が解消せず、本当に苦戦した。だから今回のテストでは、何としてでもその原因を突き止めるつもりだった。
テスト初日は、意外なほどタイムの出方がいい。気温が低くグリップレベルが高かったことと、新スペックのタイヤがとてもいいパフォーマンスを発揮してくれたことで、あっという間に自己ベストを更新。幸先のよいスタートとなった。
ところが、ペースアップするにつれてやはりリヤのグリップ不足の問題が発生……。この問題は他のサーキットでも起こっているが、ここミザノは路面が古くてμが低いせいか、特に問題になりやすいようだ。
ただ、他の多くのライダーも同じような悩みを抱えていたが、僕だけ問題の程度がひどい。やはり何かおかしい。まずはサスセッティングを変え、大まかな車体のセットアップを決めてから、エンジンテストをすることにした。
結局この日のベストタイムは1分36秒3で19番手。チームメイトのジンベールが僕よりいいタイムを出し、SBKルーキーの中冨くんも僕とほとんど同じタイムだった。
去年のミザノのレースは、ジンベールがケガのため欠場しており、ヤマハフランスチームからは僕だけが出場していた。そのため、ミザノでうまく走れないのはマシンのせいなのか、僕の乗り方のせいなのか、もうひとつハッキリしていなかった。でも今日の結果で分かった。リヤのグリップをさせられないのは、僕のライディングスタイルの問題だ……。
去年から、リヤのグリップを少しでも稼ぐために、GPの頃よりもマシンの後方に乗るようになった。それでもリヤのスライドが激しい。同じヤマハのA.ピットはビックリするぐらい前に乗っているのに……。マシンの根本的な部分と自分のライディングスタイルが合っていないことを、改めて痛感させられた。 |
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SBK Official Test at Misano Circuit, 2006.04.12〜13
イヤな流れを断ち切ってレースに臨む! |
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テスト2日目は前日に引き続きエンジンテストからスタート。マッピング変更などしかできないが、少しでもエンジンパワーを得たいところだ。劇的な変化は得られなかったが「少しは良くなったかな」というところで一区切り。大きな問題となっている車体のセットアップに専念することにした。
今回のテストでは、たまたまコース上で加賀山くんと一緒に走る機会があったが、離れていた加賀山くんに追いついたりして、エンジンパワーの差はそれほど極端ではないようだ。コーナーをうまく立ち上がることさえできれば、ストレートでの差はさほど付かない。ということは、やはり車体のセットアップさえ煮詰まれば、もっといい成果が得られるはずだ。
そう思ってサスや車体のセッティングをいろいろ試してみたが、一向に問題は解決しない。さらに2日目は天気がよく、夕方5時頃まで路面温度は30℃を超えていて、やはり暑かった去年のレースのようにグリップレベルが低下してしまった。問題は解決していない……!
今年のミザノのレースは6月に行われる。暑い中での開催では、また去年と同じ状況になる可能性が高い。実戦に向けて、これは本当に困ったことになった。
5時半頃になると気温が下がってきたので、走行終了までのラスト30分でタイヤを換え、タイムアタックをする。ベストタイムは昨日より0.8秒アップの1分35秒5。昨日と同じ19番手でテストを終えた。
テスト後も、チーフメカニックの高久さんと長い時間ミーティング。かなり頭を悩ませた。走りそのものとしては攻めることができているが、スライドをコントロールしながら何とかタイムを出しているような状況だ。どこのコースでもこれと似たような状態だが、特にミザノではひどい。逆に、ここで何とかいい車体セッティングを見つけてスライドを抑えられれば、間違いなく他のコースでも生かせるはずだったのだが……。
来週には第3戦バレンシア大会が行われる。確かに大きな課題は残してしまったし、これは今後絶対に解決していかなくてはならない。でも、あまりイヤなイメージに囚われていても、完全に波に乗れなくなってしまう。
バレンシアは得意なコースだし、去年もいい走りができた。予選用タイヤを除けば、テストでもいい成果が出ている。ここはいったん気持ちを切り替えて、いい結果を出すために初日から頑張っていきたい。(2006.04.14) |
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| NORICK'S PHOTOGRAPH |
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| 左から順に(1)去年の始めからずっとリクエストしていたのだが、今回からようやくフルデジタルメーターが装着されることに。これはみんなが装着してくれているところ。(2)起動時にNORICKと表示される液晶パネル(見えるかな?)。タコメーター、水温、ラップタイマーなどいろんな情報が表示されるのだが、一番期待していたシフトポジションだけ不具合で表示されず……。結局今回は、もともと使っていたデジタル表示のシフトポジションインジケーター(メーター左で青い数字の0を表示しているもの)を併用した。(3)94〜95年、GPでチームメイトだったルカ・カダローラと再会! ミザノから100kmほどの所に住んでいるらしい。お互い当時の話で盛り上がり、カダローラに「それにしてもちっとも変わってないね」と言うと、彼は笑いながら「キミの方こそ全然変わってないじゃないか! キミと話していると、あの頃のことが1ヶ月前のことのように感じるよ」なんて言っていた。思えば、当時17歳の僕にとって大先輩だったカダローラが、今の僕と同じぐらいの年齢だったはず。月日が経つのは早い!(4)ミザノサーキットのメインゲートに続く、大治郎ストリート。(5)大治郎ストリートに2年前に植えられた桜の木は、まだ小さい。時間が経つにつれて、どんどん伸びていくんだろうな。 |
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| ■081 2006.04.10 |
TEAM NORICK JR
大活躍してくれたTEAM NORICK JRのライダーたち |
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4月9日、TEAM NORICK JRのセナくんが初めてのロードレースに参戦した。筑波サーキットで行われた、筑波ロードレース選手権第1戦・S80クラスだ。筑波サーキットの本コースをS80のマシンで走ったのはわずか3回ほどと、数えるぐらい。ほとんどぶっつけ本番状態でレースに臨むことになる。
S80クラスは国際ライセンスのベテランライダーたちがたくさんエントリーしていて、85ccの2ストエンジンながらトップは1分4秒台で走る。筑波選手権の中でもレベルの高いレースだ。
初テストの時のセナくんのタイムは1分17秒台。「10秒を切ったらレースに出よう」と話していたのだが、レース直前のテストでは何と1分8秒台をマーク。「これならOKだ! 失うものは何もないし、何事も経験だから、思い切って走ってみよう!」とレースエントリーを決めた。
そして予選が始まった。ベテランライダーを中心に、エントリー台数は27台。セナくんは練習のタイムを2秒近く上回る1分6秒6をマークして、何と3列目・11位に! これには僕もビックリした。
決勝レースのスタートは、まずまずといったところ。もともとスタートが得意なセナくんだけど、初のS80でのスタートに戸惑ったようだ。それでも1周目を9位で帰ってきて、「あとは無事にいいペースで走ってくれればいいな」と思っていた。
その後、トップ集団とは離れてしまったが、セナくんを先頭に4台のバトルを展開。セナくんは簡単には抜かせない、そしてインから抜かれてもアウトから抜き返すというファイティングスピリッツあふれる走りを見せ、しかも最終ラップに予選タイムを0.5秒上回る1分6秒1をマーク! 後続を引き離してチェッカーを受けた。
今回のレースのファステストラップからもわずか0.7秒落ちで、決勝中もずっと6秒台で走り続けたセナくん。最終ラップに自己ベストを叩き出すあたり、走りながらどんどん乗り方をマスターしていくのがよく分かった。
ピットに戻ってきたセナくんは、最初のうちは「どうだったのかなぁ?」と周りの様子を探るような雰囲気だったが、僕を始めみんなが大喜びしているのを見てようやくホッと一安心したようだ。
乗り慣れていないマシンしかもロードコースで初めてのレースで、ベテランたちとのバトルにも決して引き下がらない勝負強さを見せてくれたセナくん。本当に将来に期待できる素晴らしい内容のレースだった。
この日は、筑波からクルマで30分ほどのミニバイクコース・イワイサーキットで、コウタくんもレースにエントリーしていた。筑波でのレースが終わってすぐにセナくんと一緒にイワイに向かい、何とか決勝スタートに間に合った。
「予選は何位だった?」と聞くと、ポールポジションだったようだ。さすが、イワイをホームコースにたくさん練習しているコウタくんだけのことはある。決勝もスタートから飛び出して1周目から独走態勢。そのまま見事なポール・トゥ・ウインを飾った。
TEAM NORICK JRの2人が活躍してくれて、すごくうれしい1日になった。僕も明日、ヨーロッパに向けて日本を出発し、ミザノでのテストとバレンシアでの第3戦に臨む。自分のチームのライダーとはいえ、彼らの走りに刺激を受けた部分もある。苦しい状況に変わりはないけど、彼らに負けないようにいい走りをしたい。(2006.04.10) |
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| NORICK'S PHOTOGRAPH |
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| 左から順に(1)TEAM NORICK JRとしては初のロードレース用マシン。TZ125のフレームにYZ85のエンジンを搭載している。カラーリングもバッチリ決まっていて、なかなかカッコいいでしょう?(2)初めてのロードレースということで、気負わないようにアドバイス。スリックタイヤのグリップの出方などいくつか心配ごとがあったようなので、アドバイスをしてあげた。(3)スタート前チェック。僕もスタッフとして荷物を運んでました。(4)レース前のライダーズブリーフィングで。ものすごく快適な空間にちょっとビックリ。(5)グリッドは3列目。セナくんはちょっと緊張気味だったかな?(6)スタート直前。もしかしたら、本人より僕の方が緊張してたかも!?(7)スタート自体はもうひとつだったが、序盤の転倒車などに巻き込まれることもなく、落ち着いて走っていた。(8)15周のレースを終えてチェッカー! バトルに打ち勝ち、後続を引き離し、最終ラップに自己ベストタイム。カッコいいレースを見せてくれた。(9)スタッフが大喜びする姿に、セナくんも一安心。(10)レース後、すぐにイワイサーキットに移動。レース直前のコウタくんと一緒に記念撮影。(11)ポールポジションについたコウタくん。頑張れ!(12)スタートを決めて、レースをリード。1度も抜かれることはなかった。(13)そのままトップでチェッカー。TEAM NORICK JRのライダーたちが大活躍してくれた1日だった。 |
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