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| ■120 2007.08.20 |
TEAM NORICK JR
調子を上げてきているTNJライダーたち |
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鈴鹿8耐までの間は事前テストなどで忙しく、TEAM NORICK JR(TNJ)のレースをなかなか見に行くことができずにいた。8耐が終わり、ようやく一段落したところで、19日に野左根功汰(コウタ)くんのレースを見に桶川スポーツランドに行った。
去年はミニバイクレースにTNJとして3名のライダーが出場していたが、今年はコウタくんだけ。ちょっと寂しい感じはあったが、そんな中でもコウタくんは頑張ってくれている。
コウタくんが参戦しているミニバイクレースは、12インチタイヤ装着マシンで競われるSP12。その中でも最高峰とされるエキスパートクラスだ。
桶川ではさらにモタードにも挑戦中だ。モタードはオフロードバイクをベースにしたマシンで舗装路を走るレースで、今回はコース中にジャンプも設定されていた。多くは450ccや250ccのモトクロッサーを改造したマシンだが、コウタくんのマシンは身長との兼ね合いもあって85cc。誰がどう見ても不利だが、結果にこだわることなくトレーニングの一環として出場している。
モタードの予選は9番手。出走は13台だったのであまりいい結果とは言えないが、不利なマシンで精一杯頑張ってくれた。
一方のSP12-Eは予選開始早々にいきなり好タイムを出して、一時トップに立った。その後スリップダウンして転倒! 無事再スタートできたので「ここからタイムを縮めてくれるかな」と期待していたら、同じコーナーでまたしてもスリップダウン! 残念ながらタイムは更新できなかったが、序盤の好タイムで4番手につけることができた。
昼休みを挟んで決勝スタートを待ったが、何がツラかったと言って、36℃の暑さ! ミニバイクコースにはレンタルオフィスもレストランもなく、暑さから逃れようがない。日よけのテントがあっても暑さはほとんど変わらず、1日汗が止まることはなかった。コウタくんはまだ小学6年生だから、大変だっただろうな。 |
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TEAM NORICK JR
とにかくスタートが肝心! |
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先に行われたのはモタードの決勝だ。コウタくんには「スタートを頑張ってね」とアドバイスした。パワーに劣るマシンに乗っている時、パワーのあるマシンの後ろにつけてしまうと、相手がミスでもしない限りなかなか抜くことができないからだ。
でも、足がちゃんと着かないほどシートが高く、しかもパワー不足によりダッシュ力もないモタードマシンのスタートに手こずり、コウタくんは出遅れてしまった。先行する選手のミスをついてのパッシングを見せてはくれたが、結果は11位。予選より順位は落ちてしまったが、戦うには厳しいマシンでよく頑張ってくれたと思う。シーズン始めの頃よりずいぶんモタードにも慣れてきたようで、間違いなく実力は高まっている。大きいマシンにスイッチする時に、いいステップになるはずだ。
少し時間をおいて、メインレースとなるSP12-Eの決勝だ。ミニバイクレースのポールポジションは、1コーナーに対してイン側に並ぶ。1列4台なので、予選4番手だったコウタくんはアウト側だ。ちなみに一般的なロードレースではポールポジションはアウト側。「アウト側の方が絶対有利だよ! とにかくスタートを決めて、アウトからまくって前に出るといいよ」とコウタくんにアドバイスした。
そしていざスタート! コウタくんはなかなかいいスタート決めて、アドバイス通りアウトからまくって2番手につけた。そのままトップのライダーに着いていければ最高の展開だったが、徐々に離されていく。そのうち3番手のライダーに追いつかれ、抜かれてしまった。そのライダーは去年のチャンピオンでさすがに速く、そのままトップを奪い取ってしまった。
抜きつ抜かれつを展開していた上位2台だったが、コウタくんを抜いてトップに立った去年のチャンピオンが残り5周で転倒! 3番手を単独走行していたコウタくんが2番手に繰り上がり、そのまま2位でチェッカーとなった。
去年はフレッシュマンクラスやビギナークラスで何度も表彰台に立ったコウタくん。去年の途中からエキスパートクラスにトライし始め、これまで1度も表彰台に立てずにいた。今回は、上位の転倒がなかったとしても間違いなく3位。実力でもぎ取ったエキスパートクラス初表彰台は、コウタくんの進歩の証だ。
久々にTNJのレースを見に行って、コウタくんの実力が上がっていることが見て取れた。セナくんも現在4連勝中だし、2人ともとてもいい調子だ。このままどんどん伸びていけるようサポートをしていきたい。(2007.08.19) |
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| ■119 2007.08.12 |
| 全日本第5戦に向けた事前テスト |
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8耐が終わって数日は、少しゆっくり過ごさせてもらった。それほど疲れが残るようなこともなく、次の週からトレーニングを開始。9日、10日に行われるスポーツランドSUGOでのテストに向けて体調を整えた。SUGO入りしたのは8日。テストは全メーカー合同で、トップライダーがほとんど全員集結していた。
SUGOでは、8月26日に全日本ロード第5戦が行われる。ここでのレースは、以前TBCビッグロードレースに出て以来約10年ぶりだ。去年、ヤマハのヤングライダー育成キャンプにインストラクターとして参加した時、自分の練習用マシンで少しだけ走行したが、その時は感触をつかむ程度。今回のテストで走ってみると去年の感触はまったく残っていなくて、やけに久しぶりに感じた。
メインストレートは上り切ったあたりでウイリーしそうになるので、微妙なアクセルコントロールが必要だ。しかもバックストレートはゆるやかに右に曲がっていて、続く右の「馬の背コーナー」に備えなければならないので、抜き所も休み所もない。挙げ句にコース幅がすごく狭いので、常に集中して走った。 |
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| 車体のセットアップを進める |
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テストは2日間とも午前1時間半、午後1時間半の走行。幸い天候に恵まれて両日とも快晴だったが、この時期に快晴ということは……、気温34℃、路面温度50℃オーバーと、8耐やマレーシアテスト並みの暑さでかなりハードなコンディションだった。
これだけ路面温度が高いとグリップももうひとつで、苦労した。レースが行われる今月末あたりには気温はグッと下がり、コンディションもかなり変わるらしい。あまり無理をしても仕方がないので、タイムは気にせず車体セットアップに重点を置く。特にリヤのセッティングに集中的に時間を費やして、まずまずいい方向性が見つかった。
今回はタイムを気にしなかったとはいえ、他メーカーのライダーがすごくいいタイムを出しているのには驚かされた。今の僕たちではちょっと想定できないほどのタイムで、苦しい戦いになりそうだ。今よりは低い気温が予想されるレース本番で、フィーリングが好転してくれるといいのだが……。(2007.08.12) |
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| ■118 2007.07.31 |
Suzuka 8hours, 2007.07.26, Free Practice 4th / 2'10.122
初めての8耐レースウィーク |
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2ヶ月前に8耐参戦が決まってから、合計9日間のテストをこなし、いよいよ本番を迎えた。レースウィークは暑くなるという予報だ。体力的にキツくなりそうなことを覚悟して、鈴鹿サーキット入りした。
26日(木)は特別スポーツ走行が行われた。この日だけは唯一タイヤの使用本数制限がないので、チームのキャパシティの範囲内でタイヤテストをこなす。走行セッションは3本。1本目の40分間で前後タイヤを何セットか試して、「これがいいかな」と思えるタイヤを選べた。
2本目は雨のため走行キャンセル。3本目はチームメイトのジェイミー・スタファー選手と交代しながらの走行であまり時間の余裕がなく、予選用タイヤのチェックをして4番手で終えた。とりあえず翌日の予選は思い切って走れそうだ。 |
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Suzuka 8hours, 2007.07.27, Timed Practice 6th / 2'09.292
久々の転倒 |
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2回の公式予選が行われたのは、27日(金)。午前中に行われた1回目の予選では、何と1年以上ぶりに転倒してしまった。決勝を想定したタイヤを履き、レース前半のシミュレーションのつもりでプッシュしたのだが、1周目からスピンが始まるような状態。リヤがスライドした瞬間にフロントで押さえようとしたが、フロントも予想以上にグリップせずに、そのままスリップダウンしてしまった。
結局そのタイヤは使わないことにしたが、ここで転倒しなければ決勝で同じ目に遭っていたかもしれない。幸い体も何ともなかったし、「問題が先に洗い出せた分よかったかな」と気持ちを切り換えた。
午後の予選2回目は、転倒後最初のセッションになる。最初から飛ばしていかないとうまくクリアラップが取れないので、走行直前は決勝レースと同じぐらい集中して気持ちを高めた。
セッション中、前を走る中須賀くんに引っ張ってもらう形になり、その後、単独でアタックしようと後続との間隔を調整していたら、なんとコースアウト……。グラベルに出てタイヤが真っ白になってしまった。タイヤの温度も冷えてしまったし、アタックはそこまでとなった。
それでもタイムは9秒2とまずまずで、結果は6番手。何がなんでも絶対に出たかったトップ10トライアルの出場権が得られたのでホッとした。 |
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Suzuka 8hours, 2007.07.28, Top10 Trial 9th / 2'09.832
思うように走れなかったトップ10トライアル |
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28日(土)は、前日の予選上位10チームが決勝スターティンググリッドを競い合う、トップ10トライアルが行われた。単独で思いっ切りアタックができるので楽しみにしていたのだが、進行上の問題からスタートが1時間ほど遅れ、集中力を維持するのが大変だった。
いざタイムアタックに入ってもチャターがひどく、全体的に挙動が激しく出てしまう。思うような走りができず、タイムも昨日の予選を更新できずに残念ながら順位を落とし、9番手グリッドが確定した。
でも8耐は長いレース。トップ10に入っていれば十分に上位が狙える。慌てずに自分たちのペースで走れば、いい結果がついてくるはずだ。まずは決勝でスタートを決める! |
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Suzuka 8hours, 2007.07.29, Early stage of the Race
カウントダウンで心臓バクバク! |
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実は決勝当日の29日(日)を迎えるまで、8耐という実感がそれほど湧かなかった。でもさすがに決勝日ともなるとお客さんの数も増え、イベントブースも賑わっている。ようやく8耐らしくなってきた。
第1ライダーは僕。チームメイトのジェイミーより早めに準備を整えて、スターティンググリッドに並んだ。6月の鈴鹿300kmレースでは7番手グリッドだったが、今回は9番手。ポールポジションまではかなり遠い! できればホールショットを獲りたいが、この距離は手強いぞ……。
スタート直前、伊藤真一さんに声をかけた。お互いに「頑張ろう」と言葉をかわしたが、伊藤さんは負傷をおしての出場なので、「転ばないでくださいよ〜」と言うと苦笑いしていた。
いよいよスタートだ。10、9……とカウントダウンが始まる。心臓がバクバクしてくる。2、1、そしてゼロになる瞬間に猛ダッシュしマシンにまたがったままエンジンをかける。エンジン回転数がうまく上がらなかったが、まずまずのスタートだ。何人かをかわすことができたが、2番手までは届かず、1コーナーに進入した時は3番手だった。
1周目はそのままのポジション。しかしその後はトップに無理に着いていくことはせず、自分のペースを守って走行した。ジリジリと順位が落ち、1回目のライダー交代の時は6番手だった。
ジェイミーが走っている間に上位に転倒があり、ポジションは5番手に。僕もその位置を守り、しばらく5番手をキープした。
多くのチームが7回ピットインする作戦を採る中、僕たちは8回を予定。他のチームよりも少し早く、50分ほどのスティントでライダー交代を繰り返す。6番手とのタイム差も広がって、順調にいけば5位でチェッカーを受けられそうだった。 |
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Suzuka 8hours, 2007.07.29, Race 9th / 8:02'47.833 210Laps
最後の最後にまさかのトラブル |
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4回目の走行あたりから、だいぶ疲労がたまってきた。走行後すぐに水風呂に入り、控え室でマッサージを受ける。でも50分なんてあっという間だ。ひと息入れる間もなく「ライダー交代までラスト10周です」なんて声がかかり、すぐ準備を始めなければならない。こんなに時間が短く感じるのは初めてだ!
そしてジェイミーにとって最後の走行がラスト10周を迎え、僕は着替えを完了させる。ラスト3、4周といったところでヘルメットをかぶる。ところが予定より早く、ラスト2周でジェイミーがピットイン! その前の周もペースが遅く、「何だなんだ!?」とピットは騒然としていたが、帰ってきたマシンを見るとオイルまわりのトラブルがあったようだ。
スタッフが修復作業をしている間も順位が落ちていくので、タイミングモニターと作業を見比べながら僕はもう気が気ではなかった。5分ほどのロスでピットアウトし、コントロールラインを通過すると10番手。もうガックリ来てしまった……。でも最後のスティントはナイトランになるし、改めて気を取り直し集中する。
疲労は溜まっていたが、ペースを落とすことなく無事に50分を走り切り、いよいよチェッカー! 上位の脱落があって、結果は9位だった。チェッカーフラッグを受けた瞬間は本当にホッとした。 |
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Suzuka 8hours, 2007.07.29, After the Race
みんなに期待に応えるために |
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気温が下がり、真っ暗になったサーキットをパレードランするのは、すごく気持ちがいい経験だった。レースを終えたライダーはたちはみんなうれしそうで、お客さんも観客席で大盛り上がりだ。僕もシケインとストレートでバーンナウトして声援に応えた。
それにしてもキツかった! 今まで外から見ていて「キツそうだな〜」と思ってはいたが、実際にやってみると本当に大変だ。ファンの皆さんも長いレース観戦お疲れさまでした。ライダー交代の時にパドックで声をかけてくれた方たちも、僕の疲れ具合を気遣ってくれているのが伝わってきて、温かさを感じました。
寄せ集めスタッフの混成チームで行われた今回の8耐だったが、もし5位でチェッカーを受けられれば、現状ではそれ以上望めないほど上出来な結果だったから、最後のトラブルが本当に悔しい。
もしまた8耐に参戦する機会が得られるとしたら、もっと体制を整えないと、ファンの皆さんの期待に応えられるだけのいい結果を残すのは難しいだろう。今回もできる限りの準備をしてくれたが、まだまだ足りないことがよく分かった。そういう意味でも貴重な経験になったと思う。(2007.07.30) |
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| ■117 2007.07.21 |
| いよいよ鈴鹿8耐。楽しみながら全力を尽くす! |
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6月に鈴鹿300kmレースを終えてから今まで、いくつかの雑誌の取材を受け、YRA(Yamaha
Riding Academy)に参加するため北海道・十勝に行き、MotoGPのテレビ解説をしたりと、結構やることが多くてバタバタと過ごした。
この間メインとなったのは、もちろん鈴鹿8耐に向けてのテストだ。スプリントレースと耐久レースではマシンの仕様が違ったり、全日本のスタッフだけでは人数が足りないので助っ人の方たちが何人も参加してくれるなど、チーム体制もふだんとは異なる。しかし合計9日間テスト走行をする中で、マシンにもチーム体制にも慣れることができた。
ペアライダーのジェイミー・スタファー選手はオーストラリア人。昨年の全豪選手権では600ccのスーパースポーツ、1000ccのスーパーバイクの両クラスでダブルタイトルを獲得し、今年も現時点でランキングトップという実力を持つライダーだ。
鈴鹿サーキットを走るのは今回の8耐に向けてのテスト走行が初めて。合計して7日間にわたって走行したが、まだ攻略しきれていないようだ。耐久レースでは、できればペアライダーが同じぐらいのタイムで走れるのがベストだが、僕との間に少しタイム差がある。そうは言っても、彼は全豪チャンピオン。レースウィークに入ればテスト以上の力を発揮してくれるはずだ。
僕自身は、初参戦する8耐に関してまだ分からないことはあるが、「8耐を楽しみたい」と思っている。耐久レースは、ペアライダーとのコンビネーション、チームワーク、そしてライバルチームの動向など、いろいろな条件がうまく重なった時に初めてよい結果に結びつくものだ。短時間で勝負を決めるスプリントレースのように、力みすぎてもうまくいかないだろう。
鈴鹿8耐は日本最大のバイクレースイベント。たくさんのファンの皆さんと直接お会いできる機会なのでとても楽しみにしている。そして僕がやるべきことは、まず何よりも皆さんの期待に応えられるように、いい走りをすること。初めての8耐を楽しみながらも、全力を尽くして表彰台をめざす。(2007.07.20) |

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| ■116 2007.06.12 |
Suzuka 300km Endurance race, 2007.06.09 Qualify 7th / 2'10.371
プロになって初めての耐久レース |
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プロのレーシングライダーになって以来、毎年のように鈴鹿8時間耐久ロードレース出場の話があり、いつもギリギリの所まで話が進んでいた。
8耐は日本最大の2輪レースイベントだし、出るのなら少しでもいいレースがしたい。でも去年まで世界選手権で戦っていた僕は、8耐に向けて日本でしっかりテストしたり下準備する時間が取れなかった。もちろんメインである世界選手権もおろそかにしたくなかったし、その他いろいろな条件が重なって、ずっと8耐出場はしていなかった。
でも今年は日本でレースを戦っているし、耐久レースの準備も十分にできる。8耐出場を決めると同時に、その前哨戦である鈴鹿300kmレースにも出場することになった。
プロになってから初めての耐久レース。その名の通り300km、鈴鹿を52周することになる。スプリントの全日本は17周だから、3倍以上のレースディスタンスだ。8耐を想定してライダー2人態勢を組むチームも多い中、僕は1人で300kmを走る。過酷そうだ……。体力面はどうか、タイヤはどうなるのか、ピット作業はどうか、など心配事が多かった。
6月8日、金曜日から練習走行が始まった。鈴鹿300kmレースはエントリー台数が多く、タイム差も激しい。クリアラップがまったく取れず、セッティング出しもまともにできないような状態だ。「これは予想以上に大変そうだぞ」と不安が高まった。
翌土曜日には、40分×2回の予選が行われた。A、B2組に分かれ、僕はA組だ。天候はスッキリせず、朝方は前夜の雨が残っていて路面はウエットだった。
午前中のA組予選1回目では、セッション終盤にようやくドライになり、予選用タイヤでタイムアタックした。なかなかいい感じで走れていたが、最後のシケインで他のバイク2台と重なり、シケイン進入から立ち上がりまで待たされて大きくタイムロス! A組4番手となってしまった。
午後のA組予選2回目は雨。当然タイムは伸びず、A組での結果は確定だ。総合結果では7番手グリッドとなった。
スプリントレースなら、他車に引っかかっての7番手グリッドに悔しさを感じるところだが、今回は300kmの耐久レース。予選順位は大きく影響しないだろうと思っていた。そんなことも含めて、やっぱりスプリントレースとは勝手が違う。いろいろと大変そうだ……。 |
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Suzuka 300km Endurance race, 2007.06.10 Race Start
分からないままに決まったスタート |
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6月10日、決勝日の朝は雨。「初めての耐久レースが雨か……」とちょっとガックリしたが、朝のウォームアップ走行ではウエットでのフィーリングはまずまず。クリアラップが取れない中でも6番手で、うまくすればトップタイムも狙えそうだった。雨でもイケるという手応えに、少し気が楽になる。
と思っていたら天候が急変! パッと日が差し、路面もぐんぐん乾いていく。決勝レースは完全にドライで行われることになった。
スタートは耐久レースでよく見られるルマン式だ。ストレート右側に縦1列にマシンを並べ、左側にライダーが立つ。合図と同時にライダーがマシンに走り寄ってスタートするというやり方だ。
8耐でその光景は見ていたが、いざ自分がストレートに立って見ると、「ずいぶん長い行列だなあ!」と驚いた。これはスゴイ眺めだ。しかも7番手というとスプリントレースなら2、3列目だが、1台ごとの間隔が結構長く取ってあり、トップのライダーもかなり前の方にいて遠い!
それより、いざスタートを迎える時になってふと思った。「どういう手順でスタートするんだ……?」。レース前、「スプリントではスタートが得意だけど、ルマン式はどう?」と何度か聞かれ、「足も速い方だし自信ありますよ」なんて軽く言っていたが、実は手順がよく分かっていなかった。
カウントダウンが行われてマシンに駆け寄るのは知っていたが、カウントダウン後にシグナルが出るのか、どうなるのか……。スタート前に横にいるライダーに聞いたりして、「ああ、そうなんだ」とようやく分かる始末だった。
そして10、9、8……とカウントダウンが始まってレーススタート! 全力でマシンに駆け寄り、エンジンをかけて発進! 思惑通りうまく行ったが、ふと気付いたらトップで1コーナーに入っている。「あれっ、いつの間に?」という感じで、自分でも意外だった。
さあ、ここから2時間のレースだ。HRCとヨシムラにバックストレートであっさりとかわされてしまい、1周目は3位で帰ってきたが、体力のこと、タイヤのことを考えながら、自分のペースで走行する。
その後も淡々と走行を続け、5台による4位争いグループにつけた。集団の中で抜きつ抜かれつはあったが、着実に周回することを心がける。しかし、集団にいるライダーたちはみんな周回遅れのさばき方がうまい! 結構きわどいタイミングで前に出ることもあって、僕はその流れに着いていきながら「すごいもんだな」と感心していた。 |
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Suzuka 300km Endurance race, 2007.06.10 Race 7th / 1:58'08.102
耐久レースの難しさを知る |
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そうこうしているうちに、ピットインのサインが出た。「えっ? もうレース中盤?」とビックリ。疲れる間もないほどで、ちょっと体力を温存しすぎたかもしれない。体力的には余裕があったが、ピットに戻るまでの周回でガス欠症状が出て、危ないところでピットに滑り込んだ。
タイヤ交換と給油が行われるピット作業は、スタッフが手際よくこなしてくれた。「よし、完璧だ!」とピットアウトすると、HARCの小西さんと同じタイミングだった。集団にいた他のライダーは見当たらない。「スタッフの迅速なピットワークのおかげだ」と感謝した。
ピットアウト後は僕と小西さんのバトルになったが、すぐに周回遅れが絡んでくる。小西さんはいいタイミングでズバッと周回遅れをかわすのに、僕は待たされることが多く、ちょっとずつ離される。その繰り返しで、気付いたら小西さんは見えなくなっていた。
「なんでこんなに周回遅れのさばき方がヘタなんだ……」とショックを受ける。
しかし、淡々と周回を重ねるうちにいつの間にか4番手に。ん? と思っているうちに、しまいには「P3」、つまり3番手を意味するサインが出た。「えっ? 今3位なの? いったいどうなってるんだ!?」。耐久レースだと展開がほとんど分からない。
しかし残り3周。すぐ後ろに4位の選手が迫ってきていたが、体力は温存してある。「こうなったら表彰台を獲ってやる!」とスプリントモードに気持ちを切り換えたが、デグナーカーブでいきなりガス欠症状発生! 急きょピットインせざるを得なくなった。
ピットロードを走りながらタンクを指さし「燃料、燃料!」とスタッフに合図する。すぐに気付いてくれて、ピットに止まった瞬間に給油が行われた。残り2周。チェッカーを受けた時には7位までポジションを落としてしまっていた。
最後の最後でこんなことが起こるなんて、本当にガックリ。まったく予想していない結末だった。スタッフも念入りに燃費計算をしてくれていただけに、ショックは大きかった。
でもこれが耐久レースの難しさなのだろう。周回遅れのさばき方、ピット作業の迅速さと確実さ、そして運。いろいろな課題が見つかり、反省点の多いレースとなった。
実は2回目のピットインの際、消火器を持つスタッフが耐火マスクをし忘れていて、ペナルティとしてレースタイムに1分加算されてしまった。順位は変わらなかったが、どんな時でもみんなが冷静でいなくてはならないことを思い知らされた。僕にとっても、そしてスタッフにとっても勉強になった。
7月下旬には鈴鹿8耐が行われる。今度はペアを組んで、より長丁場のレースを戦うことになる。今回見つかった課題をクリアして臨まないと上位進出は難しい。そういう意味でも、今回の300kmはいい機会だったと思う。
8耐はレース以外のイベントも数多く行われ、お祭りとしても盛り上がっているから、レース観戦経験が少ない人でも十分に楽しめる。僕としてもプロ生活14年目にしてようやく得たチャンスなので、表彰台獲得を目標に全力を尽くすつもりだ。ぜひ多くの方たちに、鈴鹿サーキットに足を運んでもらいたいと思う。(2007.06.11) |
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| ■115 2007.05.29 |
| ヨーロッパのムード漂うオートポリス |
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全日本ロードレース第4戦の舞台となるオートポリスは、今まで走ったことがないサーキットだ。レースの前週に4メーカー合同テストが行われたが、その時に初めてオートポリスに行った。
羽田から熊本までは2時間弱のフライトで、熊本空港からレンタカーで1時間ほど走るとオートポリスに到着する。この距離感は、ヨーロッパを転戦していた去年までとほとんど同じだ。ヨーロッパ内での転戦は、生活拠点としていたスペインから約2時間フライト、空港からレンタカーで1時間走ってサーキット、というケースがほとんどだった。
しかもオートポリスへの道のりはイタリアやフランスの峠道のような景色で、街外れには教会まであり、本当にヨーロッパのような雰囲気だ。サーキット自体も広い敷地にあって、1990年にオープンしたとは思えないほど設備も立派。「約20年前のオープン当時は、かなり先進的なサーキットだったんだろうな」とビックリしてしまった。
テストは2日間の日程で、初日はドライ。いろんな人に「ヨーロッパっぽいレイアウトのコースだから、すぐ慣れるよ」と言ってもらったが、そういう問題じゃないと思うんだけど……。実際に走ってみるとアップダウンやバンプがあったり、ハードブレーキングもあれば高速コーナーもある。かなりバラエティに富んでいるあたり、確かにヨーロッパのサーキットによく似ていてなかなか面白い。
テスト自体は順調に進み、初日に1分53秒台。2日目にさらにセットアップを進めようとしたが、午前中はウエット〜ドライへとコンディションが変わってほとんど走れず、ドライになった午後にしっかりと走り込み1分52秒5。短時間の初走行だったが、コースレコードから1秒落ちのタイムが出せて、まずまず納得いく内容だった。「ヨーロッパっぽいからすぐ慣れるよ」という話も、あながち間違いじゃなかったのかな? |
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JSB1000 Rd.04 Autopolis, 2007.05.26 Superpole 6th / 1'50.691
限界を探りながらタイムアタック! |
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テストの翌週、いよいよレース本番だ。走行初日の金曜日の朝、ホテルで目覚めるとあいにくの大雨。サーキットに到着すると、標高900mの高所だけあって霧というより雲の中! 見通しがまったくきかない状態だった。
雨もやまず視界も晴れず、結局全クラスの走行がキャンセルに。オートポリスの走行経験がほとんどない僕にとってはいきなり不利な状況になってしまった。できるだけ時間を有効に生かしてセットアップを進めたかったのに……。
土曜日の天候は朝から良好で、雨の心配はなさそうだ。前日の走行がキャンセルになったため、急きょ朝9時から15分間のフリー走行が設けられた。車体まわりの新パーツを試したところ手応えはよかったが、セットアップに時間がかかりそうなので今回の使用は断念。前の仕様に戻して予選に臨んだ。
全日本では、予選と決勝にタイヤの本数制限があり、合わせて3セットしか使えない。僕としては決勝に重点を置きたかったので、決勝タイヤを履き比べながら予選をこなし、1分51秒7で8番手につけた。
決勝用タイヤのテストを行いながら、予選上位12名までのスーパーポール出場権も得られたので、内容はまずまず。ただ、スーパーポールはぶっつけ本番で予選用タイヤを使うことになり、まったく様子見なしで1周だけのタイムアタックに臨むことになった。
5番目に出走したスーパーポールは、最初から全開で行こうと思っていたが、1コーナーではやはりタイヤを探ってしまう。2コーナー、3コーナーと再確認して感触をつかんでから、ようやく本気のアタック開始! コース後半に挽回してタイムは1分50秒6。終わってみれば6番手グリッドとなった。
限界を探りながらのアタックで2列目に並べたのは、結果としては悪くない。でも本音を言えば、予選用タイヤの感触も事前につかんでおきたかった。金曜日の悪天候が悔やまれる。
朝9時からフリー走行があり、予選を経て、16時過ぎにスーパーポールが終了。朝から夕方までやけに長い1日だった。 |
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JSB1000 Rd.04 Autopolis, 2007.05.27 Race 4th / 33'46.042
悔しさが残ったレース |
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決勝日の朝は前日と同様の快晴で、暑くなりそうだった。決勝直前には路面温度が43℃まで上昇。ダンロップの方もここまでの温度上昇は想定しておらず、「レース後半はキツくなるかもしれない」という話だった。
前日の予選セッション中にロングランをしてみた感触でも後半はキツそうだったのに、それよりさらに厳しいとは!「これはまずいぞ」と不安を抱えたままスタートを迎えた。
グリッドにマシンを停めたが、レッドシグナルが点灯するまでの間が長い! パッと水温計を見ると99℃になっている。あまり水温が上がるとトラブルの原因になるので、シグナル点灯を待つ間、イメージ通りにエンジン回転数を上げられない。いざスタートしてもすでに熱ダレで加速が鈍く、1コーナーに入った時は4番手だった。
仕方ない状況だったとはいえ、自分としても集中力を欠いていたし、大失敗だ! しかも1コーナーを立ち上がった後のちょっとしたストレートで中須賀くんにかわされてしまい、オープニングラップは5番手で帰ってきた。
その後も、エンジンセッティングが気候に合っていなかったようで、苦しい展開になった。ブレーキングで頑張って真後ろについても、コーナーの立ち上がりで前走車にひどく離され、ストレートでスリップストリームにつくことができない。コース前半の高速セクションで引き離され、後半のテクニカルセクションで背後につくということの繰り返しだ。
秋吉さんの転倒で4番手になった後、1度徳留くんに抜かれかけたが、なんとか抜き返す。最後まで集中したが終盤はタイヤがやはり厳しい。後半テクニカルセクションでもタイムが稼げなくなってしまい、4位を守るのが精一杯のままレースを終えた。
初めてのコース、しかも予想通りタイヤにとって厳しい条件の中での4位という結果に、チームスタッフは大喜びで出迎えてくれた。僕としてもやれるだけのことはやったし、喜んでいいのかもしれない。でも、1位も見えていた展開でトップ争いに絡むことができなかったことが、とにかく悔しい。
これで全日本は第5戦SUGOまで約3ヶ月の休みに入るが、その間もテストは行う予定だ。現在抱えているリヤのグリップ不足やタイヤの消耗といった問題を改善し、よりよい加速ができるエンジンの仕様を見つけたい。(2007.05.28) |
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| ■114 2007.05.15 |
| 不安を抱えて |
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筑波サーキットでのレースは、94年、シーズン途中まで参戦していた全日本スーパーバイククラス以来、13年ぶりだ。しかも事前テストは1日だけ。プライベーター時代には一番通ったホームコースだが、今回は完全なテスト不足で、かなりの不安を抱えたままサーキット入りした。
金曜日の練習走行では、前戦までと同じリヤのグリップ不足に悩まされた。25分間しかない午前中の走行セッションで新しい決勝用タイヤをテストしてみたが、満足いくレベルのグリップは得られない。
午後の30分間のセッションでは、車高を変えるなどセッティングの小変更にトライしたが、問題はあまり改善しない。しかもブレーキング時の安定性がいまひとつで、すっかり困り果ててしまった。
そんな状況で予選用タイヤを試したら満足いくグリップが得られて、いきなりタイムアップ! B組トップ、総合でも3番手につけて、「やっぱりグリップするタイヤさえ見つかれば、タイムは出せるんだな」と確認できた。グリップがよくてもタイムが出ないこともあるのだが、今回はリヤのグリップさえよければうまくいきそうだ。
でも、予選用タイヤはもちろん決勝では使えない。他にも、今回のために揃えてもらったミッションが合っていない部分もあり、翌日の予選に向けて調整してもらうことにした。 |
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JSB1000 Rd.03 Tsukuba, 2007.05.12 Qualify 2nd / 56.194
惜しくもポールポジションを逃す |
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土曜日の予選も走行時間が短い。午前中は決勝用タイヤでのセットアップ時間にして、順位は気にせず走った。しかしやっぱり決勝用タイヤでグリップしない。でも20分しかない走行時間ではセッティングの変更もままならない。ミッションを始めとするセッティングの変更を確認できたぐらいで終了し、B組6番手だった。
筑波サーキットはタイトで抜きにくいコースなので、予選ポジションがよくないと決勝で上の順位を狙いづらくなる。できるだけ前からスタートしたいところだが、短い走行セッションの中で、まずは決勝用タイヤでのセットアップを進めた。
そして最後に予選用タイヤでタイムタック。目標は55秒台だ。うまくクリアラップが取れたのだが、予選用タイヤはグリップが高くバンク角が深くなるので、左右ともガリガリとステップを擦ってしまう! 速く走ろうにもそれ以上寝かせられない状態だったが、4周続けてアタックしてタイムは56秒194。B組トップだったが、総合ではポールタイムに0.054秒届かず2位となった。
予選用タイヤでセッティングをする余裕があれば、ステップを擦らないようにして55秒台も狙えたかと思うと、ちょっと悔いが残る。ただ、今までのコースレコードを破ることはできたし、結果としては満足だった。 |
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JSB1000 Rd.03 Tsukuba, 2007.05.13 WarmUp Lap 14th / 57.842
難航したタイヤチョイス |
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いよいよ決勝日になってしまった。決勝用タイヤでのセットアップはうまく行っていない。今のままのタイムでは勝負にならない。レースは賭けに出るしかなかった。
朝のウォームアップラップでは、本数制限があって前日の予選で使ったタイヤしか履くことはできない。中古の決勝用タイヤか予選用タイヤだ。そこで大勝負になるが、予選用タイヤがどれぐらい保つか試してみることにした。予選用タイヤのグリップはよかったので、もし保ってくれれば優勝も狙えるはずだ。
しかし、走り始めて5、6周でズルズルになってしまった。もちろんハイグリップと引き換えに耐久性を捨てているのが予選用タイヤだから、そうなるのは当たり前。でも、1%でも確率があるなら、それに賭けてみたかった。
「やっぱりダメか……」と、中古の決勝用タイヤで走行したが、やっぱりグリップしない。全然タイムも出せず、ウォームアップラップは14番手に終わった。前日と合わせても、決勝周回数の30周を走っていない。それなのにこんなにグリップが保たないようでは、かなり厳しいことになりそうだ。チームとミーティングし、さらにダンロップのオフィスでスタッフとみっちり話し合い、決勝用タイヤについて相談した。
とにかく想定していた決勝用タイヤでは、最後まで保たない。しかも減り方もボロボロだ。レースでは、グリップレベルは少し落ちるが、保ちのいいタイヤを使うことにした。 |
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JSB1000 Rd.03 Tsukuba, 2007.05.13 Race 3rd / 25'53.746
ここから始まる |
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はっきり言って、スタート前は絶望的だった。レースウィークを通して、決勝用タイヤではよくても10番手ぐらいだったし、なおかつグリップレベルの低いタイヤを選ばなくてはならなくなったのだから……。でも、タイヤに関してはもう選択の余地はない。こうなったら、与えられた条件の中でやれるところまでやるしかない。
スタートは決まって、ホールショットを奪ったが、3周目に赤旗中断。2回目のスタートも決まり、またホールショット。だが、再び赤旗中断となった。そして3回目、またまたスタートが決まり、ホールショットで1コーナーに入ることができた。
今回は赤旗もなくスムーズにレースが始まったが、いきなりタイヤはズルズル。第1レース目に3周走っているタイヤだから仕方ないのだが、「これはマズイな」という展開になってしまった。
7周目に柳川さんに抜かれ、すぐに秋吉さんにも迫られたが、どんどん落ちてもおかしくないグリップがそれほど変わらない。秋吉さんと抜いたり抜かれたりの2番手争いになり、13周目にはかわされてしまったが、心配していたグリップの落ち方が少しずつだからまだ巻き返せる。後ろから見ていると秋吉さんのタイヤも滑っているのが分かったから、勝負はイーブンだ。なかなか抜きどころがないが、いつでも抜き返すつもりで背後につけた。
しかし3回のスタートでクラッチの調子が悪く、シフトダウンがうまくいかない。第1ヘアピンへの進入では何度かオーバーランしてしまった。コーナーへの突っ込みは抜きどころなので、そこで違和感があるのはつらい。結局抜き返せず、3位でゴール・秋吉さんとのバトルに勝てなかったことが悔しかった。
クールダウンラップでは、たくさんのお客さんが手を振ってくれたので、僕も手を振り返したり、CXコーナーではバーンナウトしたりした。声援に対して感謝の気持ちを伝えたかったからだ。表彰式でも、本当なら一言、二言しゃべって終わるところを、「ちょっと長く話してもいいですか?」と断って、今年僕が全日本を走るにあたっていろいろサポートしてくれているヤマハやワイズギアの皆さん、チームスタッフ、そして親身になって相談に乗ってくれるダンロップのスタッフにお礼を言わせてもらった。
そして、13年ぶりの全日本復帰でも、GPライダーだった頃とまったく変わらず応援してくれたファンの皆さんにも、本当に励みになっていることと、ありがたく思っていることを話した。でも、まだまだ期待に応えられていないと自分では思っている。これで満足せずに、さらに上をめざしていきたい。
ふと、「そういえば久しぶりの表彰台だったんだな」と気付いた。GPでは2001年スペインGPで表彰台に立っているから6年ぶり、全日本では14年ぶりだ。レーシングライダーとしてはよくないことかもしれないが、それだけ長く表彰台から離れていると、「もしかしたらもう表彰台には立てないのかもしれない」とネガティブになってしまう。でも筑波の表彰台で、そんな考えを振り払うことができた。やっと一歩を踏み出せた。(2007.05.14) |
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| ■113 2007.04.17 |
| 強い気持ちで鈴鹿入り |
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鈴鹿サーキットでレースをするのは、'03年以来4年ぶりだ。今年最初にテストをしているが、新しいコーナーがいくつかあり「こんなに変わったんだ!」と戸惑った。結局テストでは思うように走れず、タイムも出せなかった。
でも鈴鹿は、'94年日本GPにワイルドカード参戦し、その後の世界GPフル参戦の足がかりになったコースだ。GPでも2勝しているし、もっと遡れば、全日本500ccのデビュー戦が鈴鹿で、その時の2位がチャンピオン獲得につながっていった。僕にとって、いろいろな出来事が鈴鹿から始まっている。テストでは今ひとつだったが、強い気持ちでサーキット入りした。
今回は「SUZUKA 2&4 RACE」として、2輪の全日本ロード第2戦と4輪のフォーミュラ・ニッポン第2戦の併催だ。僕にとって未経験のレースイベントなので、楽しみにしていた。さっそく、ピット割りからして特殊だった。去年のランキング上位チームは2輪同士で固まっていて、今年から参戦し始めてランキングがない僕たちは、フォーミュラ・ニッポンのピットに挟まれるような位置に。今までにない雰囲気の中でのレースウィークとなった。 |
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JSB Rd.02 Suzuka, 2007.04.14 Qualify 8th/2'09.643
気合い十分で予選に臨んだが…… |
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前戦のもてぎは、決勝こそうまく行かなかったものの、ウィークを通して見れば上位につけることができていた。「今回もそのままの勢いで行ける!」と信じて、金曜日の練習走行に臨む。ところが鈴鹿には鈴鹿の難しさがあって、やはりもてぎとは勝手が違う。テストの時と同様にしっくりと来ず、「どうにか合わせていかないと苦戦しそうだぞ」と難しさを再確認したところで走行初日を終えた。
天候の崩れが心配されていた14日(土)の予選だったが、前夜に降り出した雨は当日朝にはやんでいて、ドライで走行できた。今回はJSB1000のエントリー台数が多く、予選はA/Bの2グループに分かれた。僕はBグループ。先に行われたAグループの予選を見ていると、タイムがそれほど上がらない。「コースコンディションがよくないのかな」と、実際に予選を走ってみると、ほぼドライだがところどころ濡れているような状況だった。
僕の場合、鈴鹿での走りはS字が決まると他もうまく行くことが多い。S字に重点を置いてセットアップを進めたが、リヤのグリップがなかなか出ない。Bグループ予選1回目の順位は3番手だったが、タイムはまだまだだ。
午後の予選2回目も、まずはAグループのタイムの出方をチェック。セッション序盤はそれほどでもなかったのに、終盤にかけてみんなどんどんタイムアップしていく。トップが2分7秒台のコースレコードをマークしたのを見て、「相当気合いを入れないと」と気持ちを高めた。
そしてBグループ予選2回目の走行が開始。走ってみるとコースコンディションはそれほどよくなく、「Aグループはこんな状況でタイムを出していたのか!」とちょっと驚く。でも、僕はとにかく自分の走りができるように、セットアップに集中した。
しかし予選1回目と同じように、リヤのグリップが不足している。しかもコーナー進入で大きな挙動が出てしまう。この症状を直そうと細かくセットアップを変えたが、満足いく仕上がりにならない。おまけに2周しかクリアラップを取れず、1回目よりタイムアップできずに、予選総合8番手と残念な結果に終わってしまった。 |
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JSB Rd.02 Suzuka, 2007.04.15 RACE 8th/37'13.756
スライドが収まらない |
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15日(日)、決勝日のフリー走行のスタートは朝8時……! 長くレースをしているが、こんなに早くからのセッションはあまり経験がない。もちろん寝ぼけているわけにはいかないし、早起きして準備を整えて走行に臨んだ。
前日の予選からさらにセッティングを変更して、フィーリングは悪くない。30分のセッションで1回もクリアラップは取れなかったが、ポジションも8番手とまずまずだったので、決勝はこのままのセッティングで走ることにした。
決勝スタートは3列目から。とにかく好スタートを決めて序盤から前に出て、トップ争いのバトルに食い込めば勝機はある。スタートにかなり集中し、ミートの瞬間はうまくいったが、つないでいく時のクラッチワークはベストとは言えず、自分としては「失敗した!」という出来。それでも1コーナーへの進入は4番手だった。
ところが混戦の中で、序盤からいきなり前後輪とも滑る症状が発生! 自分でも「何だコレは!?」というぐらいのスライドだから、当然後続のライダーにも分かるのだろう。毎周のようにズバズバ抜かれ、一時は10番手までポジションダウンしてしまった。
でも、大きく滑った時に抜かれた9番手のライダーは抜き返せるはずだ。前方に見えるセカンドグループに離されて行くのが分かったので、早くパスしたかったが、結局抜くのに2周……。7周目に9番手に上がり、スライドが収まらない状況の中でセカンドグループの追い上げを図ったが、ほとんど同じペースでつかず離れずのまま。終盤に中須賀くんがリタイヤしてしまい、8位でチェッカーを受けた。 |
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| 1時間半のミーティング |
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4輪レースの後で路面グリップが悪かったとはいえ、それは他のライダーも同じこと。ペースが上げられなかったのは、自分たちに何か原因がある。今まで、予選がうまく行かなくても、決勝モードに切り替わればいい走りができていた。ところが現状では、僕が決勝モードに入ると、マシンが滑ったり暴れたりしてしまう。決勝の走りのイメージに、マシンがついてこない印象だ。自分の強みが生かせないことには、いい結果にも結びつかない。レース後は、レーシングスーツを着たまま1時間半ほどミーティングをした。
原因が分からない今は、いろいろトライするしかない。僕たちのチームはできたばかりで、多くの面でデータが不足している。第3戦までの間にテストは1日しかないので、その機会を有効に生かすために、マシン作りの方向性について話し合った。
今回の鈴鹿でも、たくさんのファンの方たちが声援を送ってくれたことに感謝しています。皆さん「頑張ってください」という以上に、「優勝してくださいね」と声をかけてくれる。それだけ大きな期待に応えられる走りが今はまったくできていないことに、ファンの皆さんに対してはもちろん、チームスタッフや関係者の方たちに対しても申し訳ないとしか言いようがない。
今年は「トークショーやサイン会でファンの皆さんと交流できれば」と思っているが、その一方で、皆さんが一番期待してくれているのはレースで活躍し、結果を出すことだということも、よく分かっている。改善策を見つけて自分の走りができるようになれば、結果を出す自信はある。(2007.04.16) |
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| ■112 2007.04.09 |
TEAM NORICK JR
GP125でP.P.獲得! いよいよ調子を上げてきたセナくん |
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4月8日(日)、筑波サーキットで行われた筑波ロードレース選手権第1戦に、山田誓己(セナ)くんが出場した。今年、筑波ではS80とGP125の両クラスにWエントリーするセナくん。この2クラスは立て続けに行われるので、体力的には大変だと思うが、すごくいい練習にもなるはずだ。
今シーズンは、これまでなかなかいい走りができなかったセナくん。前回のもてぎでのレースも、初めてのもてぎ本コース、そして初めての125ccマシンに、かなり大変な思いをしてしまった。筑波でのテストでもタイムは伸び悩んでいたが、今回の筑波選手権直前のテストでついに本領を発揮し始めた。S80では自己ベストに近いタイムを頻繁にマークし、GP125では走るたびに自己ベストを更新するなど、なかなかの好調ぶり! いい成績に期待したいところだ。
さて、まずはS80の予選だ。予選は15分のタイムアタックで、序盤からいい走りをしていたセナくん。周回を重ねるごとにタイムを上げていき、セッション終了間際に1分5秒9というタイムを出したが、残念ながら自己ベストには届かなかった。しかし前日の雨の影響かライバルたちも伸び悩み、セナくんの順位は4番手。タイムはもう少しといったところだが、フロントローにつけたことには大満足だった。
休む間もなくGP125の予選が始まった。セナくんはS80の勢いのままどんどんタイムを延ばしていく。場内放送でライバルのタイム動向が分かるので、「これはもしかしたら…!」と思っていたが、セナくんはついに自己ベストを更新する1分1秒7でポールポジションを獲得! やった!! これには僕も興奮したし、スタッフ一同も大喜びだった。目標だった1秒台を叩き出し、しかもポールポジション。こちらも大満足の結果となった。
ピットに戻ってきたセナくんに、「PPだよ! 分かってた!?」と聞くと、電光掲示板を見て知っていたとのこと。大盛り上がりのチームスタッフをよそに、いつも通り淡々…。決勝までの間、一緒にお昼ご飯を食べたが、特にプレッシャーを感じている様子も見せないセナくんだった。 |
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TEAM NORICK JR
最終ラップに見せてくれた渾身の走り |
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午後1時過ぎ、いよいよS80の決勝だ。4番手というフロントローグリッドに行き、「結果は気にせず、思いっきり走ってね」と声をかける。スタートはベストではなかったが、序盤からトップグループでのバトルに。5台でのトップ争いで、中盤あたりまではセナくんが先頭を走っていた。
ペースもまずまずで、「まだタイムアップするかな」と思っていたが、混戦の中で3番手、4番手あたりにポジションを下げてしまう。それでも終盤は3台でのトップ争いに加わり、セナくんは2番手につけた。
その後、ちょっとしたミスがあったのかトップとの差が少し開いてしまい、「これで勝負あったかな」と思っていた最終ラップ、セナくんが最後の踏ん張りを見せた。バックストレートでトップの真後ろにつけたのだ!「おーっ、もしかしたら!?」と見ている僕も力が入ったが、結局抜くまでには至らず、2位でチェッカーを受けた。
それでも最終ラップに自己ベストの1分5秒0を叩き出し、しかもレース中のファステストラップだった。優勝した選手は去年の同クラスチャンピオンで、かつて全日本125ccクラスを走っていたこともあるという実力派だ。セナくんは臆することもなく本当にいい走りをしていたし、最後の踏ん張りに思わずこちらも「優勝か!?」と欲が出てしまったが、非常に満足できる内容だった。
ロードコースでの初表彰台で花束をもらい、シャンパンファイトをするセナくんは、笑顔を見せることもなく、まったく喜んでいない様子だった。たぶん優勝できなかった悔しさと、次のレースへの集中とで、喜んでいるどころではなかったのだろう。 |
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TEAM NORICK JR
2位表彰台でも悔しがる |
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表彰式の後、すぐにヘルメットをかぶってGP125決勝レースに臨む。「S80のレースは、強い走りだったよ。125でも同じように引かないレースをすれば大丈夫! きっとイケるから頑張って!」と送り出した。
ポールポジションからスタートしたセナくんは、序盤からトップを走行。「S80からの勢いに乗って、このまま独走か!?」と思えるいい走りをしていたが、後ろに連なっていた3、4台が徐々に追いついてきてセナくんをかわす。ズルズルと後退し4番手までポジションダウンしてしまったセナくんだが、後半になってタイムアップ! 2番手まで返り咲き、最後の3周で後続の選手を引き離したが、トップとの間にあった約2秒の差を詰めることはできず、2位でフィッシュとなった。
レース中に、自己ベストの1分1秒6をマークしたし、2位は素晴らしい成績だし、チームスタッフみんなで「おめでとう!」とセナくんを称えたが、当の本人は泣きそうな顔をしている。2位だったことがよほど悔しかったようだ。S80は、「ベテラン勢の中に13歳の若手が食い込んだ」という展開だったが、GP125の上位はみんなセナくんと同世代。それだけに勝ちたいという思いが強かったのだろう。万々歳で大喜びしている僕たちスタッフと、表彰台でニコリともしないセナくん。そのギャップは、ちょっと凄かった…。 |
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TEAM NORICK JR
厚く高い壁をブチ破った1日 |
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ライダーとしてはセナくんの気持ちがよく分かるが、チーム監督としては大満足の1日だった。去年からTEAM NORICK JRのライダーになって、ミニバイクではNSRからTZMに変わったり、初めてS80に挑戦したりと、今までとは状況が大きく変化したセナくん。特にレベルが高いロードコースでのレースでは、本人の頑張りの割にいい成績が残せず、苦しんでいた。
そんな中でも努力と練習を重ねていたセナくんの姿に、「ここでめげずに頑張ってくれよ」と思っていたが、ようやくすべてがうまく噛み合ったレースができた。今までセナくんがぶつかっていたのは、本当のロードレーサーになるための1つ目の壁。この壁は本当に厚くて、ここを破れない人がたくさんいる。セナくんは、この1日でぶ厚かった壁をブチ破り、ワンランク上に上がってくれた。
この先、セナくんは何度も壁に突き当たるだろう。でも、今回のセナくんの走りには勢いがあり、強さが見えた。安心したし、「彼ならもっともっと上に行ける」という確信が持てた。
レース後、あまりにも悔しそうにしているセナくんに、「素直に喜んでもいい内容だったよ」と声をかけた。客観的に見ても、いい走りをしていたからだ。いつも気を張り詰めていたら、疲れてしまう。いったんはホッと気持ちを休めて、また次に向けて気持ちを高めて行ってほしい。
同じ日に、桶川スポーツランドで野左根功汰(コウタ)くんもレースに出場した。ミニバイクのSP-12では、体重が軽いコウタくんがレースに出るために13kgものバラスト(重り)が必要だったのだが、3kg分足りず、残念ながら出走できなかった。
Wエントリーしていたモタードは、450ccや250ccといったマシンの中に、80ccマシンで挑戦。厳しい結果だったが、将来的により速いクラスで走るためのいい練習になったと思う。今後、SP-12に関してはレギュレーションに合わせた対策をして、次戦以降に期待したい。(2007.4.9) |
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| ■111 2007.03.24 |
JSB Rd.01 Motegi, 2007.03.31 Qualify 2nd/2'02.225
どうせならトップを獲りたかった予選 |
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とうとうやってきた全日本ロードレース開幕戦。今回は初戦ということで特別に木曜日から練習走行が行われるため、水曜日のうちにツインリンクもてぎ入りした。
木・金は、できる範囲でセッティング調整をしながら、身体的・精神的にもコンディションを整え、レースモードに切り替えていく。ポジションとしてはだいたい3番手以内に入っていて、調子はまずまずだ。
そして公式予選が行われる土曜日は、前日からパドックで噂されていたように、天気が悪い。いつ雨が落ちてきてもおかしくないどんよりとした曇り空だったが、午前中の予選1回目はドライで走ることができた。
全日本ではタイヤの本数制限があり、土・日で使える新品タイヤは3セットだ。1セットは決勝用に取っておきたいから、土曜日に使える新品タイヤは2セットだけ。どういう配分でタイヤを使うか考えながら、セッションに臨む。1回目の予選は、トップ3の平均タイムの107%をクリアしてさえいれば通過となるので、タイヤを温存するために7周だけして5番手につけた。
午後の予選2回目は、全日本史上初となる「ノックアウト方式」だ。第1セッションの上位21名が第2セッションに進み、そこでの上位9名がグリッドを確定する第3セッションに進むことができる。各セッションは15分だ。残念ながら雨が降り、結局はタイヤ本数制限のないレインタイヤを装着することになった。
まずは第1セッション。ここは21番手以内に入っておけばいいので、レインコンディションの感触をつかんだり、セッティングのためにピットインしたりしながら13番手で通過。
5分後に、第2セッション開始。ここからペースを上げて3番手につけた。その後、5分のインターバルの間にセッティングを変え、最終セッションがスタート! 今度は走り込むことにして毎周タイムを更新し、セッション中盤から2番手を意味する「P2」の文字がサインボードに掲示された。
どうせならやっぱりトップを獲りたくなる。最後の最後まで集中して走りきったが、結局はトップに届かず2番手グリッドとなった。ポールポジションを獲れなかったのは残念! でも、フロントローに並べるのは大きい。「大事なのは決勝なんだ。数年振りのフロントローだし、いいスタートを決めるぞ!」と気持ちを切り替えた。 |
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JSB Rd.01 Motegi, 2007.04.01 RACE 5th/37'46.922
悔しいが、次につながる内容 |
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日曜日は天気予報通り晴れ。午前中のウォームアップ走行は前夜の雨の影響で多少ウエットパッチが残っていたが、この分なら決勝はドライでレースができそうだ。
ウォームアップ走行は5番手とまずまずのポジションにつけることができたが、気候が変わったせいかエンジンにパワー不足を感じる。走行後、チームスタッフにそのことを伝え、インジェクションのセッティングなどで対応してもらうように頼んだ。
その後、決勝までの間にサイン会、トークショー、ピットウォークなどのイベントがあり、結構忙しく、バタバタしているうちにあっという間にレーススタートとなった。
グリッドにつくためにサイティングラップを1周したが、エンジンの調子は思わしくない。グリッドでメカニックと相談したが、その段階ではもうどうすることもできず、今回はこのまま行くことにした。
久しぶりのフロントローにつけ、「絶対にホールショットを獲ってやる!」とスタートに集中する。シグナルが消えた瞬間、13年間世界選手権で決めてきたのと同じようなスタートが切れ、思惑通りトップで1コーナーに入ることができた。
そのまま自分のペースで後続を引き離したかったが、3、4周しか持たずに山口選手が背後に。前に出られても何とか抜き返して抵抗したのだが、結局トップの座を奪われてしまった。
そのバトルの影響でさらに後続に抜かれ、一時は6番手にまでポジションダウン。エンジンパワーに違和感があったのと、雨の影響か路面グリップがもうひとつで、それに適応した走り方が見付けられずになかなか自分のペースが作れない。中盤、ようやく走り方がつかめてからはペースアップでき、ポジションも5番手に。そのままの順位でチェッカーを受けた。
走り方がつかめてからは、それほど前に離されることはなかっただけに、「もうちょっと早く状況に適応できていれば」と反省している。足まわりのセッティングもまだ煮詰めが足りなかった。チームとしても結成されて間もない状態で、いろいろな面でバタバタしてしまったが、今回の経験を生かしてさらに前進できるはずだ。
レースウィークを通して、GPでもてぎを走った時と変わらないぐらいたくさんのファンの方が声をかけくれてのが大きな励みになったし、とてもうれしかった。周りからの大きな期待を感じていたし、自分も自分に期待していたが、5位という結果は正直悔しい。全日本のレベルの高さは分かっていたが、それを改めて肌で感じた。でも手応えはあったし、今後につながる開幕戦になったと思う。(2007.04.02) |
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